朝日新聞社のクラウドファンディングサイト「A-port」で資金調達中の沖縄の紅型(びん・がた)作家・新垣優香さんがこのほど、A-portを運営する朝日新聞社メディアラボを訪ね、開始初日で目標額を達成した喜びや、支援者への熱い思いを語りました。
※写真左から2人目が新垣さん
また、「日本新工芸展」に4年連続の入選を果たしたことも報告。今回の挑戦を通じ、さらなる飛躍を誓いました。
■クラウドファンディングで即日、目標額突破
新垣さんが調達中のプロジェクトは、「
沖縄の高級な染色作品・紅型を多くの人に知ってもらうため、各家庭の食卓で使ってもらえるよう、紅型のデザインを施した食器を制作したい」というもの。
A-port立ち上げの日でもある3月25日、
新垣さんのプロジェクトはぐんぐんと調達額を伸ばし、あっという間に50万円の目標額を達成しました。
今回のクラウドファンディングは「練りに練った企画です」と語る新垣さん。制作に長い時間がかかるため品数も少ない紅型の魅力を、何らかのプロダクトを通じて広く、多くの人に伝えられないかと考えた結果、食器制作に行き着いたそうです。
支援者へリターン(特典)として贈られる食器の美しさも目を引き、紅型や着物ファンにとどまらず、幅広い支援を集めています。
4月23日現在、
A-portでは187人から約126万円を集めており、5月29日まで引き続き支援を募集しています。
■支援者のメッセージ、宝物に
新垣さんは、支援者の名前やメッセージを日々チェックしているそう。「一番うれしかったのが、コレクターの方々からいただいた応援のメッセージです」。
一般に、クラウドファンディングでは知人からの支援が調達額の多くを占めますが、新垣さんのプロジェクトでは、半数以上の支援者がこれまで全く面識のなかった人だそうです。支援者の中には、以前から新垣さんの作品に憧れていたという人や、紅型自体を初めて知った人、同世代だから応援したい、という人もいます。
「クラウドファンディングを通して、紅型が好きな方も、これまで紅型に触れたことがなかった方も、たくさんの方が激励やアドバイスの言葉をくださいました。私の宝物になりました」と新垣さん。
■新工芸展入選、5月に東京・六本木で展示

新垣さんはダリアの花をモチーフにした作品「
SAKU」(190cm×140cm)で、今月発表された「第37回日本新工芸展」に入選。えんじ色や藍色の花々に繊細な模様を施し、白地の美しさが引き立つ作品で、ダリアの魅力を存分に表現しました。クラウドファンディングで作家さんのファンになりひとたび支援すると、その後の活躍や成長も、自分のことのように嬉しいものですよね。
受賞作「SAKU」は、5月13~24日に東京・六本木の国立新美術館で開かれる同展で披露される予定。新垣さん作品の魅力にとりつかれた人、必見です!
引き続き、「
A-port」で支援を募集中。新垣さんデザインの食器で、日々の食卓を彩ってみませんか?紅型の着物は高くて買えない、という人も、まずは身近なモノから紅型の世界に触れてみてくださいね。