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2018年08月28日 13時58分
■ネットを通じ個人の間でモノやサービスをやりとり
最近よく耳にするようになった「シェアリングエコノミー」という言葉。クラウドファンディングもこの一つですが、どんなものがあるのでしょうか?
朝日新聞の名物コーナー「いちからわかる」のコブク郎が記者に聞きました。
コブク郎 最近、「シェアリングエコノミー」という言葉を聞いたよ。
A 「共有経済」という意味で、インターネットを通じて個人と個人がモノやサービスの売り買いや貸し借りをする経済活動のことだ。自宅を有料で宿泊(しゅくはく)客に貸し出す「民泊(みんぱく)」や、「フリーマーケットアプリ」などが代表例だよ。
コ ほかには何がある?
A 業界団体は5種類に分類している。自家用車の貸し借りや相乗りなどの「移動」、中古品売買などの「モノ」、民泊などの「空間」、ネット上で投資をつのるクラウドファンディングなどの「お金」、家事代行などの「スキル(技能)」だ。国内の市場規模は2016年時点で6千億円近くにのぼるというよ。
コ 広がっているね。
A 個人が手作り品や特技で手軽にお金をかせげるし、企業(きぎょう)や本職のプロから買うよりも安く、交流もできるという点が受けているんだ。副業にする人や、年間数百万円もかせいで独立する人も増えているよ。
コ 買う場合に注意することはないのかな。
A 個人どうしの取引を仲介(ちゅうかい)する業者は、提供されるモノやサービスの品質に責任を持たないことがほとんどだ。だから、ほかの利用者の口コミの評判などを参考に、信用できる取引相手かどうかを自分で見極める必要があるんだ。
コ 品質を保つように義務づけられないのかな。
A 企業やプロの業者向けにはそういう法律があるけど、個人どうしの取引は想定されていなくて、合法か違法(いほう)かがあいまいなものも多いんだ。たとえば民泊も、違法な「ヤミ民泊」が広がり、最近急いで法律がつくられた。自家用車に有料で人を乗せる「ライドシェア」は、日本では禁止されたままだ。便利で経済が活発になる面もあるから、しっかり法律を整えて、トラブルや問題が起きないようにしたいね。(森田岳穂)
(2018年8月14日、朝日新聞朝刊)
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