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2018-08-30 13:38:55

飲酒運転ゼロ、亡き娘の絵で 思い継ぎ、母がポスター製作

飲酒運転ゼロ、亡き娘の絵で 思い継ぎ、母がポスター製作

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 飲酒運転の車にはねられ亡くなった神戸市出身の大学生、濱口望(のぞみ)さん(当時23)が残した絵に、母親の雅子さん(56)がそんな言葉を添え、交通安全のポスターをつくった。「これ以上悲しむ人を出したくない」と、飲食店やガソリンスタンドに配っている。

 神奈川県葉山町で2015年8月23日、道路脇を歩いていた学生の列に乗用車が突っ込んだ。望さんが亡くなり、友人2人が重傷を負った。

 運転していた男は約1時間前まで海水浴場で飲酒。制限速度の2倍近いスピードで暴走して事故を起こし、現場から逃げた。逮捕され、自動車運転死傷処罰法違反(危険運転致死傷)などの罪で懲役11年の実刑判決を受けた。

 望さんは当時、相模原市の女子美術大に通っていた。小学生のころ、休み時間に絵を描き、友達に見せて喜ばせるのが好きだった。

 「みんなが元気になるような絵を描きたい」「会場がテーマパークのような個展を開きたい。芸術を身近に感じて楽しんでほしい」

 夢をそう語っていた。

 雅子さんは事件後、車が怖くなり、道路を渡れなくなった。文章を書いたり読んだりするのもつらかった。「同じ思いをする人をなくしたい」と、ポスターづくりを思い立った。

 望さんが残した作品から選んだのは、宇宙飛行士のようなキャラクターの絵。「絵で人を喜ばせたい」という思いを継ぎ、見る人を笑顔にするデザインを心がけた。望さんの顔をアップにした自画像に「飲酒運転ゼロを目指して叫ぶ。」と書いたデザインのものもつくった。

 5千枚を印刷し、今春から配り始めた。印刷費や発送費にあてるため、クラウドファンディングで資金を募ると、反響は大きく、目標の20万円を大きく超える63万円が集まった。

 ポスターを掲示してくれる店を募っている。問い合わせは、ひょうご被害者支援センター(078・362・7512)。(川嶋かえ)

(2018年8月28日、朝日新聞夕刊)