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2021年02月15日 20時47分

クラウドファンディングの始め方~資金調達のメリット・デメリット

クラウドファンディングの始め方~資金調達のメリット・デメリット

インターネットを通じて資金調達をするクラウドファンディング。近年、個人や中小企業の利用が増えてきています。 この記事では、クラウドファンディングを始めたいと思っている人に向けて、クラウドファンディングの仕組みや種類を、メリット・デメリットとともにお伝えします。


クラウドファンディングとはそもそも一体何なのか?


クラウドファンディング(crowdfunding)とは、「群衆(crowd)+資金調達(funding)」を意味する造語で、インターネットを通じて不特定多数の人から少しずつ資金を募る仕組みのことです。

プラットフォームとなっているサイトの審査さえ通過すれば、個人・団体・企業の大小を問わず、誰でもプロジェクトを立ち上げることができます。


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クラウドファンディングは、「何かやってみたい活動や実現したい夢、新規に着手したいプロジェクトなどがあるけれど、資金が足りなくて行動に移せない」という個人や団体、中小企業の方々に多く利用されています。

資金の使用目的はさまざまで、たとえば「ユニバーサルデザインの商品アイデアがあるので開発資金がほしい」「途上国に医療や食料などを届けるための資金を集めたい」「自作の小説・写真・音楽などを自費出版して多くの人に届けたいので費用を集めたい」など、幅広い発信があります。


誰でも利用可能

クラウドファンディングの利点は、金融機関から融資を受けるよりも手軽に利用できることです。「このような活動をしたい」「こんな商品を開発したい」といったアイデアや夢があれば、「起案者(発案者)」となってその想いを発信し、資金を募ることができます。

また、その想いに共感できれば、だれでも「支援者」となって資金を出すことができるのです。


資金提供者に対するリターンの形態

資金を提供するという行為には、何らかの見返り(リターン)があるものです。代表的なものでいえば、預貯金に対する利息・利子、株主に対する配当などが挙げられます。

では、クラウドファンディングで起案者を応援しようと思い資金を提供した場合、資金提供者にはどのようなリターンがあるのでしょうか。

クラウドファンディングにおける資金提供者に対するリターンの形態には、融資や出資にあたる投資型(金融型)と、金銭以外のモノやサービスがリターンとなる非投資型の2つがあります。

それぞれについて見ていきましょう。


投資型(金融型)のリターン内容

投資型のクラウドファンディングは、融資型(貸付型)、ファンド型(事業投資型)、株式型(株式投資型)の3種類があります。


融資型(貸付型)

融資型のクラウドファンディングは、クラウドファンディング事業者が個人投資家から少額の資金を集めたものをまとめて、企業などに対して融資する仕組みです。「ソーシャルレンディング」とも呼ばれ、資産運用のための商品として人気があります。

出資募集の際に利率が決まっており、出資者は出資金額に応じて金利を受け取ることができます。


ファンド型(事業投資型)

ファンド型のクラウドファンディングでは、商品やサービスを実施するためにファンドをつくって出資者を募ります。資金提供者には、その商品やサービスによって発生した利益に応じた分配金(配当)が支払われます。

応援しようとした商品やサービスがヒットした場合は大きなリターンが受け取れますが、計画より売れなかった場合はリターンが少なくなります。

このタイプは、個人よりも企業が起案者となって実施されることが多くなっています。


株式型(株式投資型)

株式型のクラウドファンディングでは非上場企業が個人投資家に対して出資を募り、そのリターンとして自社の未公開株を提供します。出資者にとっては、株式の配当や、株式が上場された後の売却益などが収益になります。

その企業の経営状況や将来性を考慮して投資を行うという意味では、一般的な株式投資と同じですが、非公開株を手に入れられるという点が大きく異なります。


非投資型のリターン内容

非投資型のリターンには、購入型と寄付型の2種類があります。


購入型

購入型は、さまざまなアイデアや夢を実現するために支援を募り、その資金で実現できた商品やサービスなどを資金提供者にリターンするという仕組みです。クラウドファンディングの代表的なタイプといえるでしょう。

たとえば、

● アーティストを目指す人が自身の作品集を作るために出資を募り、無事に完成すれば資金提供者にその作品集をサイン入りで渡す

● 映画製作のための出資を募り、完成すれば資金提供者を上映会に招待する、クレジットに資金提供者の名前を記載する

● 伝統工芸の維持・再興のための出資を募り、資金提供者にはその伝統工芸品を提供する

なども、購入型クラウドファンディングです。


寄付型

寄付型のクラウドファンディングは、文字どおり資金を「寄付」する仕組みです。起案者から資金提供者に対するリターンはあったとしても、金銭的に考えれば、わずかなものです。

たとえば、被災地復興支援や発展途上国の子供たちへの支援、海外で手術を受ける難病の子供への費用支援などが、寄付型クラウドファンディングで集められています。リターンはなくても「誰かを助けることができた・人の役に立った」という満足感や充実感が得られるのが特徴です。

また、インターネットなどで資金の集まり具合が確認できたり、資金の使途や本当に使われたのかということが把握できたりすることから、街頭募金などとは違って透明性があることも共感を得やすいポイントでしょう。

クラウドファンディングの起案者が社会福祉法人や認定NPO法人など一定の要件を満たしている場合は、確定申告時に税制優遇が受けられることがあります。支援時にページをよく確認しましょう。


資金調達するメリット・デメリット

クラウドファンディングには、多くのメリットがありますが、同時にデメリットも存在します。

クラウドファンディングでの資金調達を検討する際には、まずここでご紹介するメリットとデメリットを確認しましょう。


メリット

資金調達をクラウドファンディングで行う場合のメリットはいろいろあります。

ここでは、主なメリットを6つご紹介しましょう。


メリット① 確実性が高くないプロジェクトでも資金調達できる

資金が足りない場合に銀行などの金融機関から融資を受けようと思えば、きちんとした事業計画などが必要となり、成功するかどうかの確実性が高くないと審査に通らない可能性もあります。

しかし、クラウドファンディングであれば、たとえ確実性に乏しいプロジェクトであっても、賛同してもらえれば資金を調達することができます。

また、賛同人数が多ければ、そのプロジェクトが成功する確率が高いと判断することもできます。


メリット② 資金提供者へのリターンは現金でなくてもよい

金融機関で借りると、借りた金額に利息を付けて現金で返済しなければなりません。

一方、クラウドファンディングでは、利益に応じた分配金や非公開株、出資金で完成した品物・サービスなどをリターンに設定できるため、必ずしも現金のリターンでなくてもよく、さらに出資金の返済も不要です。また、寄付型であればリターンを設定しなくてもかまいません。

とはいえ、賛同を得るというハードルは決して低くはないことに注意しましょう。


メリット③ 費用負担を抑えられる

クラウドファンディングは、ほとんどの場合、クラウドファンディング事業者を通して行われます。そのほうが、数多くの人の目に触れるうえ、資金集めに有益な情報や助言もしてもらえるため、資金が集まりやすいからです。

ほとんどのクラウドファンディング事業者は、集まった支援金から差し引く形で手数料を受け取る形式をとっています。達成時実行型(All or Nothing)を選んだ場合、目標額に届かなければ支援金を受け取ることはできませんが、手数料も必要ありません。実行確約型も集まった金額に一定の料率で手数料がかかる仕組みになっていますので、起案者が大きな借金を抱えるような金銭的リスクはほとんどありません。


メリット④ 宣伝も兼ねられる

支援を募る際には、商品やサービスなどプロジェクトの内容をアピールし、資金提供者にどのようなリターンがあるかを告知します。

このことがプロジェクトの宣伝ともなるため、それらが実現した際には、新たに広告を打つまでもなく、既に新規顧客が獲得できていることになります。資金調達と宣伝の一石二鳥というわけです。


メリット⑤ 利用に関する面倒な手続きがない

クラウドファンディングを利用する際、ある程度の計画書などは準備する必要がありますが、金融機関から融資を受けるほどの細かな情報は必要ありません。

購入型・寄付型のクラウドファンディングでは、資金提供者に約束したリターンを提供した時点で、起案者の契約上の義務は完結しています。そのため、手軽に申し込めるのが大きなメリットです。


メリット⑥ 小さな支援が大きな力に

クラウドファンディングの特徴は、少額の支援を数多く集めることですが、その仕組みによって多額の資金を集めることも可能です。たとえば、1,000円程度の支援なら気軽にできるという人が1,000人集まれば、それだけで100万円が集まります。

多くの人に賛同されるようなプロジェクトであれば、人それほど時間をかけずに必要な資金が集まるでしょう。


デメリット

メリットが多いクラウドファンディングですが、デメリットもしっかりと押さえておきましょう。


デメリット① 資金の調達に時間がかかる場合がある

クラウドファンディングでは、必ず目標額が集まるとは限りません。また、目標額が集まったとしても、口座に振り込まれるまでに4ヵ月程度かかる場合もあり、金融機関からの融資(1ヵ月程度)にくらべて時間がかかります。

そのため、たとえば「店や事業を始めたいからすぐに資金が必要」という場合に、クラウドファンディングで資金のすべてをまかなうのは難しいでしょう。


デメリット② アイデアを盗まれる場合がある

出資を募る際にアピールした商品・サービスのアイデアは、世間に広く知られることになるため、他社や他人にそのアイデアを盗まれ、先に実現されてしまう恐れもあります。

できれば、クラウドファンディングを利用する前に、特許を出願しておくなどの対策を取っておくことをおすすめします。


デメリット③ プロジェクトがうまくいかない場合のリスクがある

無事に目標額の資金を集め、プロジェクトに着手できたとしても、順調に進んで実現にまでこぎつけられるとは限りません。プロジェクトが途中で頓挫してしまった場合、約束していたリターンが提供できないと、社会的信用を失ってしまうでしょう。

なお、これは「必ずしもリターンが保証されているわけではない」という資金提供者側のデメリットとしても注意しておくべき点といえます。きちんとしたプロジェクトは、リスクも説明されていますので、支援を考えるときは必ずチェックしましょう。


【まとめ】メリット・デメリットを理解してかしこく利用する

夢や想いを形にするために誰でも気軽に利用できるクラウドファンディングは、これからますます普及していくと思われます。

しかし、気軽に利用できるからといって、何も計画を立てずに資金集めだけに先走って行動していては、資金提供者からの信頼を失ってしまうばかりか、詐欺罪に問われかねません。

まずは、「実現したい」という気持ちをしっかりともち、クラウドファンディングのメリット・デメリットをきちんと理解したうえで、かしこく利用してください。