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成功者の声

2016年06月16日 16時43分

成功者の声 ドキュメンタリー映画監督 佐々木芽生さん

成功者の声 ドキュメンタリー映画監督 佐々木芽生さん

佐々木芽生 フリーのジャーナリスト、NHKキャスターを経て、ドキュメンタリー映画の監督に。クジラとイルカ問題をテーマとするドキュメンタリー映画を制作するためにA-portで資金を2300万円超集めました。

 

捕鯨というセンシティブなテーマで神経を使う場面が多かったのですが、A-portチームから

新聞社の知見を生かした適切な言葉選び、発信方法、メディアへのアプローチまで、貴重なアドバイスを沢山いただけたのは、

幸いでした。また、東京でイベントを開いた時は、A-portのメンバーも駆けつけて下さったり、一つの節目に到達

するときに一緒に喜んで下さったり、個人のFBなどでも応援してくださったり。チーム全体で支えて頂いたという安心が何より

心強かったです。

 

【メディアとの化学反応すごい】

 目標金額を超えることができたのは、賛成でも、反対でもなく、そのどちらも尊重することを伝えられたからだと思っています。

クラウドファンディングはもっとも民主的に資金を集められる方法です。今回のテーマ(捕鯨問題)にはマッチしていたように思い

ます。捕鯨に賛成、反対、」そのどちらでもない方からも支援が集まりました。

 A-portは、朝日新聞社が運営しているサービスなので、新聞社とクラウドファンディングの化学反応を期待しました。

実際に、朝日新聞の記事で取り上げていただく機会があり、記事を見てくださった企業からの協賛が決まるなど、その反響の大きさ

は、当初の期待を超えるものでした。

 ジャーナリズムを追求する朝日新聞のサイトですから大きな社会性が出てきますよね。さらに、多数のメディアがこの取り組み

について取材し、記事で紹介してくださいました。新聞社としては競合に当たりますが、産経新聞の記者は記事にサイトへのリンクまで貼ってくださって……。メディアの枠を超えて取材していただけたことがうれしかったです。

 

【社会に変革を起こす「発信基地」】

 クラウドファンディングは、インターネット上のサービスであるがゆえに、一般的にネットができる人だけを対象にしたもの、と支援者を限定しているところがあります。でも、世の中にはネットは使えないけれど、ファンディングに参加したいという方が大勢います。そういう方も新聞社の発信力を通じてクラウドファンディングに参加して頂けたわけです。A-portには電話で支援を受け付けるサービスがある点が大きく、ネットが使えない方々も電話サービスで支援してくれました。

 A-portは、資金調達のためのプラットフォームを超えて、社会に変革を起こすパワーを秘めた「発信基地」にもなり得ると信じています。

 

【成功は「腹」をくくる覚悟】

支援は寄付ではありませんから、「一時的にみなさんからのお金を預からせていただくけれども、とても有効に使わせていただきます」という思いがあります。

支援をお願いすることをためらってはいけないし、そこに罪悪感をもってはいけないと私は思います。

「お金をください」とお願いしづらい気持ちはよくわかります。もちろん支援していただく方に対して最大限感謝の気持ちを持たなくてはいけないし、謙虚になるべきだけれども、そこに罪の意識があってはいけない。

 クラウドファウンディングでお金を集めるからには、支えてくれた人たちに還元できるものでなければなりません。お金は、ひとつのツールであって、コミュニケーションの手段です。たとえば1000円支援してもらったとしたら、その1000円が、10倍、100倍もの価値あるものにするという気持ちを持てば良いのではないでしょうか。

 そういう価値があるプロジェクトだからこそ、クラウドファンディングで資金調達できるわけです。

 だから堂々と支援をお願いするべきだと思います。そして、その期待を裏切らない覚悟……。そう腹をくくるということです。