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2017年10月03日 10時41分

日本初のテープレコーダーによる井深大氏・盛田昭夫氏の音声記録見つかる

日本初のテープレコーダーによる井深大氏・盛田昭夫氏の音声記録見つかる

 日本初のテープレコーダーによって録音されたソニー創業者の井深大氏、盛田昭夫氏の音声記録が発見された。1950年にソニーの前身・東京通信工業が売り出した製品で、当時は「G型」「テープコーダー」という名前が付けられていた。発売された同年8月、東京都世田谷区にあった盛田氏の自宅で録音した音声記録とみられるという。

 絶版となっている盛田氏の著書「学歴無用論」復刊に取り組んでいる「Field Archive」(東京都世田谷区)が発表した。同社はこの録音以外にも、「学歴無用論」の発刊翌年の講演記録(1967年)や盛田氏のテレビ出演映像(1969年)などを発見している。復刊の費用を集めるために10月3日まで「A-port」でクラウドファンディングを実施しており、今回見つかった盛田氏の音声記録や映像などを、支援者へのリターン(特典)として提供するという。


生前の盛田昭夫氏(朝日新聞社撮影)

 「学歴無用論」は1966年に出版され、日本企業の学歴偏重や年功序列などの弊害を鋭く批判し、ベストセラーになった本。同社は盛田家やソニーの協力を得て復刊のために関連資料を調べていたところ、この録音を発見した。

 「Field Archive」代表の木原智美さん(44)は、日本初のテープレコーダーや世界初のビデオテープレコーダーなどの開発に携わった伝説的な技術者、木原信敏氏の長女。

 クラウドファンディングの活動報告によると、信敏氏の著書『ソニー技術の秘密』に「井深さんや盛田さんらのトップが、テープレコーダーを作ろうと考えてからちょうど一年経ったので、記念に皆の声を録音しようではないかと、世田谷区代田二丁目の盛田さんの自宅に集まり、記念録音をしました」との記述がある。1995年に録音が倉庫で発見されたときに「G型」のテープレコーダーで再生し、「我々が作った紙テープとG型の機械は、約半世紀経った今でも音が消えず、機械は故障せず働いてくれた」(同書より)とも書かれており、今回見つかったのは、この録音とみられるという。

 クラウドファンディングのページは、https://a-port.asahi.com/projects/Fukkan_MORITA/ 。