すべての環境を力に変えて着実な成長!いよいよ世界へ
小2でスノーボードデビュー
2022年春には、北海道札幌国際情報高校の2年生となった地下(ぢげ)綾音選手。スノーボード・アルペン競技における期待の新星ですが、シーズン中は、学校から帰るとスキー場へ向かい、夜遅くまで練習に励む日々を送っています。
スノーボードを始めたのは小学2年生の時。最初は思い通りに滑れず、早くみんなと一緒に滑りたい一心で練習に向き合っていました。3年生になると、地元のスノーボードスクールで習い始め、更にのめり込んでいきました。初めて大会に出場したのもこのころ。競技の面白さにハマると、「スノーボード検定1級に合格したい」「大会で優勝したい」と、目標を立てて練習するようになりました。
「今になって振り返ってみると、練習することや努力することの楽しさ、そこから得られる達成感や喜び、悔しさなど、競技をする上で大切な感情が、自分でも気づかないうちに芽生えていたんです」
4年生の時には、ゲート(ポール)を立てての滑走を初体験。フリースタイルしか経験がなかった彼女が、「私がやりたいのはアルペンだ!」と直感した瞬間でした。5年生になると、スノーボードアルペンの練習を開始。登別を拠点とするスノーボードチーム「SIG-NATURE」に所属して本腰を入れることに。19年からは、世界トップをめざす選手を対象とした「&tomoka」にも所属しています。
小学5年生の時の地下選手(右)。アルペンを始めた時から指導を受けている宮武祥子先生と
メンタルトレーニングの効果が好成績につながる
21-22シーズンは、特に後半で目覚ましい結果を得ました。22年2月のSAJ全日本ジュニアでは2位(PGS)。同じく2月のFIS公認の北海道選手権でも優勝(PGS)。3月のJSBA全日本スノーボード選手権ではU18カテゴリーでも2位以下に大差をつけて1位(GS)でした。
目標としていた全日本ジュニアの優勝こそ逃したものの、ナショナルチームに入るためのFIS公認大会優勝という条件をクリアし、地下選手本人としても確かな手応えを得ました。
「昨シーズンの自分に比べ、技術的にもメンタル的にもすごく成長できたと感じています。以前は優勝したいとか、勝たなくちゃとか、目標達成のことばかり考えていました。でも今シーズンは目標を強く持ちつつも、レース中は自分に集中して、1本1本を大事に滑ることができました。公式戦(FISレース)では初の決勝レースでも、自分の滑りができたと思っています」
この結果を得られた背景には、メンタル面での成長があったと、地下選手自ら分析しています。
「シーズンが始まる前に、メンタルトレーニングを学校の部活動でも取り組むようになって、その効果をすごく感じています」
地下選手は、競技力の向上のためにと、学校では陸上部に所属しています。
「部活動のとき、練習が始まる前にその日の目標を確認したり、練習後には自分が感じたことや思ったことを仲間同士で伝え合ったりする機会があって、そこからすごくいい影響をもらったと感じています。また、毎日の活動のあとに1日を振り返る自分の日誌をつけることもしていました」
こうした取り組みの効果で、結果ばかりを意識して自らのスノーボードを崩してしまうようなことがなくなったのは、まさしく大きな成長です。自らの課題を克服しての結果は、地下選手にとっても大きな自信につながったようです。
「これからは海外の大会にも出ることになります。もっと上のレベルの強い選手がいる大会でも、今回できたように自分の滑りができるよう、トレーニングに全力で取り組んでいきたいです」
※PGS:パラレルジャイアントスラローム/GS:ジャイアントスラローム/FIS:国際スキー連盟
オフシーズンは別のスポーツでトレーニング
スノーボードは6月以降オフシーズンになりますが、選手にとってはオフのトレーニングも非常に重要なポイントとなります。地下選手はその点もしっかり心得ていて、ジムでのトレーニングや高校での陸上部での活動をうまく利用しているほか、「スノーボードから一度離れて、いろんなスポーツに挑戦します。自転車やトレイルランニング、スケートボードにサーフィンもやります。スノーボードの先生がサーフィンもやっていて、教えてもらいました」
体力や筋力、体幹にバランス感覚など、競技に必要なあらゆる力を、別のスポーツを行なうことで楽しみながら向上させていく。この柔軟かつ素晴らしい発想は、けがの予防や精神面でのリフレッシュ効果なども考えられ、まだ10代半ばの地下選手にとって最適な育成環境が、所属するチームをはじめとした周囲の方たちによって深く考えられ、整えられている証拠といえます。何より、地下選手がそれらのトレーニングを楽しみにしている様子が感じられ、1年後、2年後の成長がとても楽しみになります。
「陸上部で練習するのも、友達と学校で話すのもすごい楽しいですし、高校では英語に特化したクラスにいて、授業では他の人と意見を交わしながら交流するので、自分の考えや自分自身と向き合う機会が多くて、とてもいいなと感じています」
学校生活に対しても、実に明るく前向きな地下選手。すべての環境を力に、スノーボーダーとして、あるいはアスリートとして、着実に成長の階段を登っている様子が伝わってきます。
応援してくださる方々の思いに結果で応えたいと考えています
「スポーツの力で北海道を元気にしたい」
「私が生まれ育った北海道は、自然が豊かで美しい生き物がたくさん生息しています。登山中にヒグマに出会ったこともあるし、登下校中に見かける花やチョウはとてもキレイです。そして何より、地元に暮らしている方々が優しく接してくれるから、北海道が大好きです」
そう語る地下選手は、練習や大会のためにスキー場に赴く際も、様々な方に協力してもらってきたと振り返ります。役場の方が駅からスキー場の宿泊施設まで送ってくれたこともあれば、道に迷っていた時に声をかけてもらったこともありました。その度に、「将来は地元・北海道に貢献できる人間になりたい」という思いが強くなっていきました。
「スポーツの力で北海道を元気にしたいんです。その実現のためにも、まずは私自身が競技で実績を出すことが大切だと考えています。また、30年冬に地元で世界最高峰の大会が実現したら、ぜひ出場したい。実現したら、そこで金メダルを獲るのが、私の大きな夢です」
感謝の気持ちを忘れずに結果を出していきたい
「スノーボードアルペンは、速さを競う競技です。細かいルールを知らなくても、誰が勝ったかはすぐに分かるので、スピード感とスリルを楽しみながら見てほしいです」と、地下選手は競技の魅力について語ってくれました。
スピード感とスリルがスノーボードアルペンの醍醐(だいご)味
また、「ゴールした後、選手同士がお互いをたたえて握手やハグを交わすんですけど、そういうところにも注目してほしいですね」の一言は、地下選手らしさ満載。常に周りの人への感謝の気持ちを大切にしているからこそ、一緒に戦う相手への尊敬の念も大切にしています。
前回までのクラウドファンディングで集まった支援は、「スノーボードに必要な道具の購入、トレーニングのためのジムに通う費用やコーチから教えてもらう費用、そして遠征費用に使わせていただきました」と地下選手。道具を使う競技であり、パラレルとジャイアントスラロームという両種目でも、使う板の種類が異なるのだと言います。これからは海外への遠征費用なども増えていくことを考えると、今後の彼女への支援は、まさしくアスリートの成長を支える土台となることは間違いありません。
「日本各地で頑張っているアスリートを応援しようという取り組みは、競技をやっている私たちにとっては本当にうれしいことですし、目標を実現するための大きなチャンスになると思っています。コロナ禍で大会開催が見えないところがありますが、サポートしていただくことへの感謝の気持ちを忘れず、一つひとつ確実に結果を出していきたいです」
22-23シーズンに向けて、地下選手は誓います。
(取材・制作:4years.編集部)
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すべての環境を力に変えて着実な成長!いよいよ世界へ 小2でスノーボードデビュー 2022年春には、北海道札幌国際情報高校の2年生となった地下(ぢげ)綾音選手。スノーボード・アルペン競技における期待の新星ですが、シーズン中は、学校から帰るとスキー場へ向かい、夜遅くまで練習に励む日々を送っています。 スノーボードを始めたのは小学2年生の時。最初は思い通りに滑れず、早くみんなと一緒に滑りたい一心で練習に向き合っていました。3年生になると、地元のスノーボードスクールで習い始め、更にのめり込んでいきました。初めて大会に出場したのもこのころ。競技の面白さにハマると、「スノーボード検定1級に合格したい」「大会で優勝したい」と、目標を立てて練習するようになりました。 「今になって振り返ってみると、練習することや努力することの楽しさ、そこから得られる達成感や喜び、悔しさなど、競技をする上で大切な感情が、自分でも気づかないうちに芽生えていたんです」 4年生の時には、ゲート(ポール)を立てての滑走を初体験。フリースタイルしか経験がなかった彼女が、「私がやりたいのはアルペンだ!」と直感した瞬間でした。5年生になると、スノーボードアルペンの練習を開始。登別を拠点とするスノーボードチーム「SIG-NATURE」に所属して本腰を入れることに。19年からは、世界トップをめざす選手を対象とした「&tomoka」にも所属しています。 小学5年生の時の地下選手(右)。アルペンを始めた時から指導を受けている宮武祥子先生と メンタルトレーニングの効果が好成績につながる 21-22シーズンは、特に後半で目覚ましい結果を得ました。22年2月のSAJ全日本ジュニアでは2位(PGS)。同じく2月のFIS公認の北海道選手権でも優勝(PGS)。3月のJSBA全日本スノーボード選手権ではU18カテゴリーでも2位以下に大差をつけて1位(GS)でした。 目標としていた全日本ジュニアの優勝こそ逃したものの、ナショナルチームに入るためのFIS公認大会優勝という条件をクリアし、地下選手本人としても確かな手応えを得ました。 「昨シーズンの自分に比べ、技術的にもメンタル的にもすごく成長できたと感じています。以前は優勝したいとか、勝たなくちゃとか、目標達成のことばかり考えていました。でも今シーズンは目標を強く持ちつつも、レース中は自分に集中して、1本1本を大事に滑ることができました。公式戦(FISレース)では初の決勝レースでも、自分の滑りができたと思っています」 この結果を得られた背景には、メンタル面での成長があったと、地下選手自ら分析しています。 「シーズンが始まる前に、メンタルトレーニングを学校の部活動でも取り組むようになって、その効果をすごく感じています」 地下選手は、競技力の向上のためにと、学校では陸上部に所属しています。 「部活動のとき、練習が始まる前にその日の目標を確認したり、練習後には自分が感じたことや思ったことを仲間同士で伝え合ったりする機会があって、そこからすごくいい影響をもらったと感じています。また、毎日の活動のあとに1日を振り返る自分の日誌をつけることもしていました」 こうした取り組みの効果で、結果ばかりを意識して自らのスノーボードを崩してしまうようなことがなくなったのは、まさしく大きな成長です。自らの課題を克服しての結果は、地下選手にとっても大きな自信につながったようです。 「これからは海外の大会にも出ることになります。もっと上のレベルの強い選手がいる大会でも、今回できたように自分の滑りができるよう、トレーニングに全力で取り組んでいきたいです」 ※PGS:パラレルジャイアントスラローム/GS:ジャイアントスラローム/FIS:国際スキー連盟 オフシーズンは別のスポーツでトレーニング スノーボードは6月以降オフシーズンになりますが、選手にとってはオフのトレーニングも非常に重要なポイントとなります。地下選手はその点もしっかり心得ていて、ジムでのトレーニングや高校での陸上部での活動をうまく利用しているほか、「スノーボードから一度離れて、いろんなスポーツに挑戦します。自転車やトレイルランニング、スケートボードにサーフィンもやります。スノーボードの先生がサーフィンもやっていて、教えてもらいました」 体力や筋力、体幹にバランス感覚など、競技に必要なあらゆる力を、別のスポーツを行なうことで楽しみながら向上させていく。この柔軟かつ素晴らしい発想は、けがの予防や精神面でのリフレッシュ効果なども考えられ、まだ10代半ばの地下選手にとって最適な育成環境が、所属するチームをはじめとした周囲の方たちによって深く考えられ、整えられている証拠といえます。何より、地下選手がそれらのトレーニングを楽しみにしている様子が感じられ、1年後、2年後の成長がとても楽しみになります。 「陸上部で練習するのも、友達と学校で話すのもすごい楽しいですし、高校では英語に特化したクラスにいて、授業では他の人と意見を交わしながら交流するので、自分の考えや自分自身と向き合う機会が多くて、とてもいいなと感じています」 学校生活に対しても、実に明るく前向きな地下選手。すべての環境を力に、スノーボーダーとして、あるいはアスリートとして、着実に成長の階段を登っている様子が伝わってきます。 応援してくださる方々の思いに結果で応えたいと考えています 「スポーツの力で北海道を元気にしたい」 「私が生まれ育った北海道は、自然が豊かで美しい生き物がたくさん生息しています。登山中にヒグマに出会ったこともあるし、登下校中に見かける花やチョウはとてもキレイです。そして何より、地元に暮らしている方々が優しく接してくれるから、北海道が大好きです」 そう語る地下選手は、練習や大会のためにスキー場に赴く際も、様々な方に協力してもらってきたと振り返ります。役場の方が駅からスキー場の宿泊施設まで送ってくれたこともあれば、道に迷っていた時に声をかけてもらったこともありました。その度に、「将来は地元・北海道に貢献できる人間になりたい」という思いが強くなっていきました。 「スポーツの力で北海道を元気にしたいんです。その実現のためにも、まずは私自身が競技で実績を出すことが大切だと考えています。また、30年冬に地元で世界最高峰の大会が実現したら、ぜひ出場したい。実現したら、そこで金メダルを獲るのが、私の大きな夢です」 感謝の気持ちを忘れずに結果を出していきたい 「スノーボードアルペンは、速さを競う競技です。細かいルールを知らなくても、誰が勝ったかはすぐに分かるので、スピード感とスリルを楽しみながら見てほしいです」と、地下選手は競技の魅力について語ってくれました。 スピード感とスリルがスノーボードアルペンの醍醐(だいご)味 また、「ゴールした後、選手同士がお互いをたたえて握手やハグを交わすんですけど、そういうところにも注目してほしいですね」の一言は、地下選手らしさ満載。常に周りの人への感謝の気持ちを大切にしているからこそ、一緒に戦う相手への尊敬の念も大切にしています。 前回までのクラウドファンディングで集まった支援は、「スノーボードに必要な道具の購入、トレーニングのためのジムに通う費用やコーチから教えてもらう費用、そして遠征費用に使わせていただきました」と地下選手。道具を使う競技であり、パラレルとジャイアントスラロームという両種目でも、使う板の種類が異なるのだと言います。これからは海外への遠征費用なども増えていくことを考えると、今後の彼女への支援は、まさしくアスリートの成長を支える土台となることは間違いありません。 「日本各地で頑張っているアスリートを応援しようという取り組みは、競技をやっている私たちにとっては本当にうれしいことですし、目標を実現するための大きなチャンスになると思っています。コロナ禍で大会開催が見えないところがありますが、サポートしていただくことへの感謝の気持ちを忘れず、一つひとつ確実に結果を出していきたいです」 22-23シーズンに向けて、地下選手は誓います。 (取材・制作:4years.編集部)
すべての環境を力に変えて着実な成長!いよいよ世界へ
小2でスノーボードデビュー
2022年春には、北海道札幌国際情報高校の2年生となった地下(ぢげ)綾音選手。スノーボード・アルペン競技における期待の新星ですが、シーズン中は、学校から帰るとスキー場へ向かい、夜遅くまで練習に励む日々を送っています。
スノーボードを始めたのは小学2年生の時。最初は思い通りに滑れず、早くみんなと一緒に滑りたい一心で練習に向き合っていました。3年生になると、地元のスノーボードスクールで習い始め、更にのめり込んでいきました。初めて大会に出場したのもこのころ。競技の面白さにハマると、「スノーボード検定1級に合格したい」「大会で優勝したい」と、目標を立てて練習するようになりました。
「今になって振り返ってみると、練習することや努力することの楽しさ、そこから得られる達成感や喜び、悔しさなど、競技をする上で大切な感情が、自分でも気づかないうちに芽生えていたんです」
4年生の時には、ゲート(ポール)を立てての滑走を初体験。フリースタイルしか経験がなかった彼女が、「私がやりたいのはアルペンだ!」と直感した瞬間でした。5年生になると、スノーボードアルペンの練習を開始。登別を拠点とするスノーボードチーム「SIG-NATURE」に所属して本腰を入れることに。19年からは、世界トップをめざす選手を対象とした「&tomoka」にも所属しています。
小学5年生の時の地下選手(右)。アルペンを始めた時から指導を受けている宮武祥子先生と
メンタルトレーニングの効果が好成績につながる
21-22シーズンは、特に後半で目覚ましい結果を得ました。22年2月のSAJ全日本ジュニアでは2位(PGS)。同じく2月のFIS公認の北海道選手権でも優勝(PGS)。3月のJSBA全日本スノーボード選手権ではU18カテゴリーでも2位以下に大差をつけて1位(GS)でした。
目標としていた全日本ジュニアの優勝こそ逃したものの、ナショナルチームに入るためのFIS公認大会優勝という条件をクリアし、地下選手本人としても確かな手応えを得ました。
「昨シーズンの自分に比べ、技術的にもメンタル的にもすごく成長できたと感じています。以前は優勝したいとか、勝たなくちゃとか、目標達成のことばかり考えていました。でも今シーズンは目標を強く持ちつつも、レース中は自分に集中して、1本1本を大事に滑ることができました。公式戦(FISレース)では初の決勝レースでも、自分の滑りができたと思っています」
この結果を得られた背景には、メンタル面での成長があったと、地下選手自ら分析しています。
「シーズンが始まる前に、メンタルトレーニングを学校の部活動でも取り組むようになって、その効果をすごく感じています」
地下選手は、競技力の向上のためにと、学校では陸上部に所属しています。
「部活動のとき、練習が始まる前にその日の目標を確認したり、練習後には自分が感じたことや思ったことを仲間同士で伝え合ったりする機会があって、そこからすごくいい影響をもらったと感じています。また、毎日の活動のあとに1日を振り返る自分の日誌をつけることもしていました」
こうした取り組みの効果で、結果ばかりを意識して自らのスノーボードを崩してしまうようなことがなくなったのは、まさしく大きな成長です。自らの課題を克服しての結果は、地下選手にとっても大きな自信につながったようです。
「これからは海外の大会にも出ることになります。もっと上のレベルの強い選手がいる大会でも、今回できたように自分の滑りができるよう、トレーニングに全力で取り組んでいきたいです」
※PGS:パラレルジャイアントスラローム/GS:ジャイアントスラローム/FIS:国際スキー連盟
オフシーズンは別のスポーツでトレーニング
スノーボードは6月以降オフシーズンになりますが、選手にとってはオフのトレーニングも非常に重要なポイントとなります。地下選手はその点もしっかり心得ていて、ジムでのトレーニングや高校での陸上部での活動をうまく利用しているほか、「スノーボードから一度離れて、いろんなスポーツに挑戦します。自転車やトレイルランニング、スケートボードにサーフィンもやります。スノーボードの先生がサーフィンもやっていて、教えてもらいました」
体力や筋力、体幹にバランス感覚など、競技に必要なあらゆる力を、別のスポーツを行なうことで楽しみながら向上させていく。この柔軟かつ素晴らしい発想は、けがの予防や精神面でのリフレッシュ効果なども考えられ、まだ10代半ばの地下選手にとって最適な育成環境が、所属するチームをはじめとした周囲の方たちによって深く考えられ、整えられている証拠といえます。何より、地下選手がそれらのトレーニングを楽しみにしている様子が感じられ、1年後、2年後の成長がとても楽しみになります。
「陸上部で練習するのも、友達と学校で話すのもすごい楽しいですし、高校では英語に特化したクラスにいて、授業では他の人と意見を交わしながら交流するので、自分の考えや自分自身と向き合う機会が多くて、とてもいいなと感じています」
学校生活に対しても、実に明るく前向きな地下選手。すべての環境を力に、スノーボーダーとして、あるいはアスリートとして、着実に成長の階段を登っている様子が伝わってきます。
「スポーツの力で北海道を元気にしたい」
「私が生まれ育った北海道は、自然が豊かで美しい生き物がたくさん生息しています。登山中にヒグマに出会ったこともあるし、登下校中に見かける花やチョウはとてもキレイです。そして何より、地元に暮らしている方々が優しく接してくれるから、北海道が大好きです」
そう語る地下選手は、練習や大会のためにスキー場に赴く際も、様々な方に協力してもらってきたと振り返ります。役場の方が駅からスキー場の宿泊施設まで送ってくれたこともあれば、道に迷っていた時に声をかけてもらったこともありました。その度に、「将来は地元・北海道に貢献できる人間になりたい」という思いが強くなっていきました。
「スポーツの力で北海道を元気にしたいんです。その実現のためにも、まずは私自身が競技で実績を出すことが大切だと考えています。また、30年冬に地元で世界最高峰の大会が実現したら、ぜひ出場したい。実現したら、そこで金メダルを獲るのが、私の大きな夢です」
感謝の気持ちを忘れずに結果を出していきたい
「スノーボードアルペンは、速さを競う競技です。細かいルールを知らなくても、誰が勝ったかはすぐに分かるので、スピード感とスリルを楽しみながら見てほしいです」と、地下選手は競技の魅力について語ってくれました。
スピード感とスリルがスノーボードアルペンの醍醐(だいご)味
また、「ゴールした後、選手同士がお互いをたたえて握手やハグを交わすんですけど、そういうところにも注目してほしいですね」の一言は、地下選手らしさ満載。常に周りの人への感謝の気持ちを大切にしているからこそ、一緒に戦う相手への尊敬の念も大切にしています。
前回までのクラウドファンディングで集まった支援は、「スノーボードに必要な道具の購入、トレーニングのためのジムに通う費用やコーチから教えてもらう費用、そして遠征費用に使わせていただきました」と地下選手。道具を使う競技であり、パラレルとジャイアントスラロームという両種目でも、使う板の種類が異なるのだと言います。これからは海外への遠征費用なども増えていくことを考えると、今後の彼女への支援は、まさしくアスリートの成長を支える土台となることは間違いありません。
「日本各地で頑張っているアスリートを応援しようという取り組みは、競技をやっている私たちにとっては本当にうれしいことですし、目標を実現するための大きなチャンスになると思っています。コロナ禍で大会開催が見えないところがありますが、サポートしていただくことへの感謝の気持ちを忘れず、一つひとつ確実に結果を出していきたいです」
22-23シーズンに向けて、地下選手は誓います。
(取材・制作:4years.編集部)
支援期間終了
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支援者
10人
残り期間
0日
集まっている金額
102,000円
目標金額:300,000円
達成率34%
2023年02月28日23:59に終了しました。
支援期間終了
起案者
地下綾音(明治安田生命・地元アスリート応援プログラム2022)
当制度を通じて、出身地や活動拠点地域など、サポートを受ける「地元」に対して貢献したいというアスリートの活動を支援します。
1,000円
お礼のメール
リターン
感謝の気持ちを込めて、お礼のメールをお送りします。
支援者の数 3人
支援期間終了
5,000円
お礼のお手紙+YELLS(支援アスリートの当該ブロック)
リターン
感謝の気持ちを込めて、お礼のお手紙、YELLS(支援アスリートの当該ブロック)をお送りします。
※「YELLS」は、地元アスリート応援プログラムに参加するアスリートに関する情報を、全国6ブロックごとにまとめた小冊子です。
支援者の数 2人
お届け予定:2023年4月
支援期間終了
10,000円
サイン色紙+お礼のお手紙+YELLS(支援アスリートの当該ブロック)
リターン
感謝の気持ちを込めて、選手直筆のサイン色紙とお礼のお手紙、YELLS(支援アスリートの当該ブロック)をお送りします。
※「YELLS」は、地元アスリート応援プログラムに参加するアスリートに関する情報を、全国6ブロックごとにまとめた小冊子です。
支援者の数 4人
お届け予定:2023年4月
支援期間終了
20,000円
サイン色紙+お礼のお手紙+オリジナルステッカー+YELLS(全ブロック)
リターン
感謝の気持ちを込めて、選手直筆のサイン色紙とお礼のお手紙、プロジェクトのオリジナルステッカー、YELLS(全ブロック)をお送りします。
※「YELLS」は、地元アスリート応援プログラムに参加するアスリートに関する情報を、全国6ブロックごとにまとめた小冊子です。
支援者の数 1人
お届け予定:2023年4月
支援期間終了