「ヤバい、と言われる選手になりたい」鳥の気分で空を飛ぶ
世代別のトップを歩み、ユース国際大会銀メダル
ゲレンデに掘られた半円状ともお椀型ともいえるコースを滑りながら、空中でトリック(技)を決めるハーフパイプ。富山県魚津市の鍛治茉音(まのん)選手(高朋高1年)は4歳からスノーボードに乗り始め、幼少期はイオックスアローザ(南砺市)などの地元のスキー場でトレーニングを積み、小学校入学以降は世代別の大会で常にトップクラスの成績を残しています。
「高いところから見る景色が好きです。高く飛べば飛ぶほど、滞空時間が長くて気持ちいい。鳥になって空を飛んでいる気分になれるんです」
ハーフパイプの魅力をそう語る彼女は、その高さを強く意識したスタイルで2020年1月にスイス・ローザンヌで行なわれたユース世代の国際大会で銀メダルを獲得しました。
ただ、結果には一定の喜びがありながら、満足しているわけではないとも言います。大会前に発熱をした影響もあり、公式練習を欠席するなどビハインドも背負ったパフォーマンスでした。
「もっとできたと思います。自分のマックスの技で戦って、一番いい色(のメダル)を獲りたかったですね」
まだ見ぬ表彰台の一番高いところからの景色をめざして挑戦は続きます。
9歳の頃、富山県内のスキー場で
少ない専用施設、高い雪質を求めて
そのユース大会の銀メダル獲得が、彼女の可能性をさらに広げることになります。
結果が出たことで地元新聞などが彼女の活躍を報じました。それを目にした母親の同僚が明治安田生命の「地元アスリート応援プログラム」を勧めてくれたのがきっかけでした。富山で育った思いは強く、この制度の趣旨に納得もできました。
ハーフパイプの強化には雪質の高さと国際基準の環境が欠かせません。その競技仕様のハーフパイプは国内では、北海道、青森、岐阜など限られたスキー場にしか存在しません。それ以外はどうしても海外遠征が多くなってきます。
また、ワールドカップのような大きな大会に参加する費用も、強化費を使えるのは一握りの選手だけ。今回のクラウドファンディングで集まった支援金は主に海外遠征や合宿のために使われる予定です。
特産のシロエビや寿司が大好き
遠征や合宿が多く、地元にいられないことも多い彼女ですが、「空気が良く、食べ物はなんでも美味しい」と富山県や魚津については強い愛着を抱いています。海外遠征から帰ってくると寿司や特産のシロエビなどを食べるそうです。
地元メディアを中心に露出も増え、「少しずつ知ってもらえるようになってきました」と、郷土を代表するアスリートとしての地歩を固めつつあります。
「楽しい学校に行けない」悩みを乗り越えて
「スノーボードはずっと楽しいので辞めたいと思うことはなかったです」
これまでの競技生活をそう振り返る本人ですが、「この技できない。どうしよう」という戸惑いや足踏みはあっても、嫌いになることは一度もなかったと言います。
ただ、中学時代は競技との両立が難しく思うように通学できない時期もありました。
「中学1年生の時は学校が楽しくて楽しくて。(満足に)学校に行けないことや、学校に行けても話題についていけないのも辛かったです」
それでも実際にゲレンデを滑り、ハーフパイプに入って滑ると、内面から楽しさや気持ち良さが込み上げてくる。そんな生粋のボーダーでもあります。
大舞台は「ゴールではない」、憧れられる存在に
周囲からは4年に1度開かれる国際大会への出場を期待されていますが、彼女は「目標の一つではあるけれど、ゴールではない」と断言します。
彼女がめざすのは、世の中に自分の滑りを発信するために大きな舞台で勝てるような選手になり、そこで「ヤバい」と言ってもらうこと。
「あの滑りはヤバい。まねできない」
「女子なのにあの高さを出せるのはすごい」
女子には難しいトリックを決めて、格好いい滑りを見せること。そのためにも今季からバックサイド900、フロントサイド1080、フロントサイドダブルコーク1080という、3つの大技に取り組んできました。スノーボードでは同じ技でも見せ方、回転の方向などで個性が顕著になるのは大きな見どころですので、どの技でも鍛治茉音スタイルで完成度を高めることが理想です。
「けっこういい感じに仕上がってきました」
過程は順調で、本人も自信を深めています。今季このトリックを決めたら、世界中から「ヤバい」と憧れてもらえる存在に一気に近づけるかもしれません。
感謝が伝わる好結果をめざして
彼女がまずめざすのは国際舞台での表彰台です。「全力で頑張ります」そう言うのは普通のこと、と彼女は持論を持っています。
「どんなに頑張っても、感謝を口に出せてそれが伝わるのはやっぱり結果が出た時だと思っています。『練習の時に使わせてもらった支援金で勝てました』という報告が一番、いい(形だ)と思っています」
いい報告ができるために、今季も彼女はゲレンデに向かいます。
(取材・制作:4years.編集部)
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「ヤバい、と言われる選手になりたい」鳥の気分で空を飛ぶ 世代別のトップを歩み、ユース国際大会銀メダル ゲレンデに掘られた半円状ともお椀型ともいえるコースを滑りながら、空中でトリック(技)を決めるハーフパイプ。富山県魚津市の鍛治茉音(まのん)選手(高朋高1年)は4歳からスノーボードに乗り始め、幼少期はイオックスアローザ(南砺市)などの地元のスキー場でトレーニングを積み、小学校入学以降は世代別の大会で常にトップクラスの成績を残しています。 「高いところから見る景色が好きです。高く飛べば飛ぶほど、滞空時間が長くて気持ちいい。鳥になって空を飛んでいる気分になれるんです」 ハーフパイプの魅力をそう語る彼女は、その高さを強く意識したスタイルで2020年1月にスイス・ローザンヌで行なわれたユース世代の国際大会で銀メダルを獲得しました。 ただ、結果には一定の喜びがありながら、満足しているわけではないとも言います。大会前に発熱をした影響もあり、公式練習を欠席するなどビハインドも背負ったパフォーマンスでした。 「もっとできたと思います。自分のマックスの技で戦って、一番いい色(のメダル)を獲りたかったですね」 まだ見ぬ表彰台の一番高いところからの景色をめざして挑戦は続きます。 9歳の頃、富山県内のスキー場で 少ない専用施設、高い雪質を求めて そのユース大会の銀メダル獲得が、彼女の可能性をさらに広げることになります。 結果が出たことで地元新聞などが彼女の活躍を報じました。それを目にした母親の同僚が明治安田生命の「地元アスリート応援プログラム」を勧めてくれたのがきっかけでした。富山で育った思いは強く、この制度の趣旨に納得もできました。 ハーフパイプの強化には雪質の高さと国際基準の環境が欠かせません。その競技仕様のハーフパイプは国内では、北海道、青森、岐阜など限られたスキー場にしか存在しません。それ以外はどうしても海外遠征が多くなってきます。 また、ワールドカップのような大きな大会に参加する費用も、強化費を使えるのは一握りの選手だけ。今回のクラウドファンディングで集まった支援金は主に海外遠征や合宿のために使われる予定です。 特産のシロエビや寿司が大好き 遠征や合宿が多く、地元にいられないことも多い彼女ですが、「空気が良く、食べ物はなんでも美味しい」と富山県や魚津については強い愛着を抱いています。海外遠征から帰ってくると寿司や特産のシロエビなどを食べるそうです。 地元メディアを中心に露出も増え、「少しずつ知ってもらえるようになってきました」と、郷土を代表するアスリートとしての地歩を固めつつあります。 「楽しい学校に行けない」悩みを乗り越えて 「スノーボードはずっと楽しいので辞めたいと思うことはなかったです」 これまでの競技生活をそう振り返る本人ですが、「この技できない。どうしよう」という戸惑いや足踏みはあっても、嫌いになることは一度もなかったと言います。 ただ、中学時代は競技との両立が難しく思うように通学できない時期もありました。 「中学1年生の時は学校が楽しくて楽しくて。(満足に)学校に行けないことや、学校に行けても話題についていけないのも辛かったです」 それでも実際にゲレンデを滑り、ハーフパイプに入って滑ると、内面から楽しさや気持ち良さが込み上げてくる。そんな生粋のボーダーでもあります。 大舞台は「ゴールではない」、憧れられる存在に 周囲からは4年に1度開かれる国際大会への出場を期待されていますが、彼女は「目標の一つではあるけれど、ゴールではない」と断言します。 彼女がめざすのは、世の中に自分の滑りを発信するために大きな舞台で勝てるような選手になり、そこで「ヤバい」と言ってもらうこと。 「あの滑りはヤバい。まねできない」 「女子なのにあの高さを出せるのはすごい」 女子には難しいトリックを決めて、格好いい滑りを見せること。そのためにも今季からバックサイド900、フロントサイド1080、フロントサイドダブルコーク1080という、3つの大技に取り組んできました。スノーボードでは同じ技でも見せ方、回転の方向などで個性が顕著になるのは大きな見どころですので、どの技でも鍛治茉音スタイルで完成度を高めることが理想です。 「けっこういい感じに仕上がってきました」 過程は順調で、本人も自信を深めています。今季このトリックを決めたら、世界中から「ヤバい」と憧れてもらえる存在に一気に近づけるかもしれません。 感謝が伝わる好結果をめざして 彼女がまずめざすのは国際舞台での表彰台です。「全力で頑張ります」そう言うのは普通のこと、と彼女は持論を持っています。 「どんなに頑張っても、感謝を口に出せてそれが伝わるのはやっぱり結果が出た時だと思っています。『練習の時に使わせてもらった支援金で勝てました』という報告が一番、いい(形だ)と思っています」 いい報告ができるために、今季も彼女はゲレンデに向かいます。 (取材・制作:4years.編集部)
「ヤバい、と言われる選手になりたい」鳥の気分で空を飛ぶ
世代別のトップを歩み、ユース国際大会銀メダル
「高いところから見る景色が好きです。高く飛べば飛ぶほど、滞空時間が長くて気持ちいい。鳥になって空を飛んでいる気分になれるんです」
ハーフパイプの魅力をそう語る彼女は、その高さを強く意識したスタイルで2020年1月にスイス・ローザンヌで行なわれたユース世代の国際大会で銀メダルを獲得しました。
ただ、結果には一定の喜びがありながら、満足しているわけではないとも言います。大会前に発熱をした影響もあり、公式練習を欠席するなどビハインドも背負ったパフォーマンスでした。
「もっとできたと思います。自分のマックスの技で戦って、一番いい色(のメダル)を獲りたかったですね」
まだ見ぬ表彰台の一番高いところからの景色をめざして挑戦は続きます。
少ない専用施設、高い雪質を求めて
そのユース大会の銀メダル獲得が、彼女の可能性をさらに広げることになります。
結果が出たことで地元新聞などが彼女の活躍を報じました。それを目にした母親の同僚が明治安田生命の「地元アスリート応援プログラム」を勧めてくれたのがきっかけでした。富山で育った思いは強く、この制度の趣旨に納得もできました。
ハーフパイプの強化には雪質の高さと国際基準の環境が欠かせません。その競技仕様のハーフパイプは国内では、北海道、青森、岐阜など限られたスキー場にしか存在しません。それ以外はどうしても海外遠征が多くなってきます。
また、ワールドカップのような大きな大会に参加する費用も、強化費を使えるのは一握りの選手だけ。今回のクラウドファンディングで集まった支援金は主に海外遠征や合宿のために使われる予定です。
特産のシロエビや寿司が大好き
遠征や合宿が多く、地元にいられないことも多い彼女ですが、「空気が良く、食べ物はなんでも美味しい」と富山県や魚津については強い愛着を抱いています。海外遠征から帰ってくると寿司や特産のシロエビなどを食べるそうです。
地元メディアを中心に露出も増え、「少しずつ知ってもらえるようになってきました」と、郷土を代表するアスリートとしての地歩を固めつつあります。
「楽しい学校に行けない」悩みを乗り越えて
「スノーボードはずっと楽しいので辞めたいと思うことはなかったです」
これまでの競技生活をそう振り返る本人ですが、「この技できない。どうしよう」という戸惑いや足踏みはあっても、嫌いになることは一度もなかったと言います。
ただ、中学時代は競技との両立が難しく思うように通学できない時期もありました。
「中学1年生の時は学校が楽しくて楽しくて。(満足に)学校に行けないことや、学校に行けても話題についていけないのも辛かったです」
それでも実際にゲレンデを滑り、ハーフパイプに入って滑ると、内面から楽しさや気持ち良さが込み上げてくる。そんな生粋のボーダーでもあります。
大舞台は「ゴールではない」、憧れられる存在に
周囲からは4年に1度開かれる国際大会への出場を期待されていますが、彼女は「目標の一つではあるけれど、ゴールではない」と断言します。
彼女がめざすのは、世の中に自分の滑りを発信するために大きな舞台で勝てるような選手になり、そこで「ヤバい」と言ってもらうこと。
「あの滑りはヤバい。まねできない」
「女子なのにあの高さを出せるのはすごい」
女子には難しいトリックを決めて、格好いい滑りを見せること。そのためにも今季からバックサイド900、フロントサイド1080、フロントサイドダブルコーク1080という、3つの大技に取り組んできました。スノーボードでは同じ技でも見せ方、回転の方向などで個性が顕著になるのは大きな見どころですので、どの技でも鍛治茉音スタイルで完成度を高めることが理想です。
「けっこういい感じに仕上がってきました」
過程は順調で、本人も自信を深めています。今季このトリックを決めたら、世界中から「ヤバい」と憧れてもらえる存在に一気に近づけるかもしれません。
感謝が伝わる好結果をめざして
彼女がまずめざすのは国際舞台での表彰台です。「全力で頑張ります」そう言うのは普通のこと、と彼女は持論を持っています。
「どんなに頑張っても、感謝を口に出せてそれが伝わるのはやっぱり結果が出た時だと思っています。『練習の時に使わせてもらった支援金で勝てました』という報告が一番、いい(形だ)と思っています」
いい報告ができるために、今季も彼女はゲレンデに向かいます。
(取材・制作:4years.編集部)
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最新のプロジェクト情報をお届けします。
支援者
7人
残り期間
35日
集まっている金額
58,000円
目標金額:300,000円
達成率19%
このプロジェクトでは、目標到達に関わらず、2021年02月28日23:59までに集まった金額がファンディングされます。
起案者
鍛治茉音(明治安田生命・地元アスリート応援プログラム)
当制度を通じて、出身地や活動拠点地域など、サポートを受ける「地元」に対して貢献したいというアスリートの活動を支援します。
3,000円
お礼のメール
リターン
鍛治茉音本人より感謝の気持ちを込めて、お礼のメールをお送りします。
支援者の数 1人
5,000円
お礼のお手紙
リターン
鍛治茉音本人より感謝の気持ちを込めて、お礼のお手紙をお送りします。
支援者の数 6人
お届け予定:2021年4月