史上最年少での日本代表入りと全日本制覇、世界に挑む14歳「自分の全部を見てほしい」
目まぐるしく順位が変動するのが醍醐味
ひとりの選手が、フェンシング、水泳、馬術、レーザーラン(射撃、ラン)という5種類の種目を1日で行なう近代五種。長い歴史があり、競技の過酷さから「キング・オブ・スポーツ」と呼ばれます。太田捺選手(なつ、根室光洋中学3年/根室スイミングクラブ)は幼稚園の頃から水泳をやっていましたが、小学4年生の時、根室スイミングクラブの菅原美香コーチから勧められ、「初めは名前も知らなかったけれど、興味を持った」という近代五種を始めました。
菅原コーチのもとで2つ上の姉・楓選手と練習に励み、めきめきと力をつけた太田選手は、2020年に史上最年少の13歳で日本代表入り。更に2021年11月の全日本選手権では、男女を通じて史上最年少となる14歳で優勝を果たしました。近代五種の魅力を「一つひとつの競技がそれぞれ違うので、種目によって順位が変動し、最後のレーザーランで勝負が決まるところが面白い」と語ります。
特に馬術とフェンシングに課題を感じていると太田選手(奥)
果敢にチャレンジする前向きなメンタリティー
明治安田生命「地元アスリート応援プログラム」は、地元・根室市役所の職員から紹介されました。パンフレットを見て、太田選手は「ボクシングの入江聖奈選手やフェンシングの東莉央選手など、世界で活躍している選手を支援されていることを知り、私も世界をめざすアスリートとして、パンフレットに掲載されているトップアスリートのようになりたい」と強く思ったそうです。
菅原コーチにも相談しましたが、最終的には自分自身で「応募してみたい」と決断しました。近代五種を始めた時もそうでしたが、太田選手にはどんなことにも果敢にチャレンジしようとする前向きなメンタリティーがあります。
元々、水泳をしていたこともあり、水泳は得意種目です
太田選手は生まれも育ちも根室市。カニやサンマといった海の幸がおいしく、大好きな場所でもある納沙布岬には、冬に家族で流氷を見に行き、改めて大自然の素晴らしさを目に焼きつけました。現在も根室市は家族と毎日の生活を送る場所であり、近代五種のトレーニング拠点でもあります。全日本選手権で優勝した際は、たくさんの友人たちから「おめでとう」と声をかけられ、それが「うれしかった」と言います。「私が活躍することで地域に明るい話題を提供し、夢や希望を伝えられる存在になりたいですし、地元の方々からたくさん応援をしていただいているので、その恩返しをしたいです」
初出場のワールドカップで味わった挫折
2021年3月、ハンガリー・ブダペストで行われたワールドカップで、太田選手はこれまでのキャリアで一番と言えるほどの大きな挫折を経験しました。初めて出場したワールドカップだったにもかかわらず、予選を全体トップタイの得点で通過。しかし、決勝の馬術で落馬し、わずかに残されていた4年に1度の国際大会への可能性が消滅してしまいました。当時の心境を「とても悔しかった」と振り返ります。
ただ、そうした思いをいつまでも長く引きずることなく、比較的早く気持ちを切り替えられる点は、太田選手の持ち味です。ワールドカップ後も「練習をしないと大会でいい成績を残せないですし、応援してくれる人がいるので、頑張ろうと思えます」と、すぐに練習に復帰し、秋の全日本制覇につなげました。
いろいろな人たちの応援を背に、前向きに一つひとつ、課題を乗り越えてきました
めざすは2年後の国際大会で金メダル
目下の目標は、2022年11月の全日本選手権での大会連覇と、2年後に迫った4年に1度の国際大会で金メダル獲得すること。それに向かって太田選手は、ほとんど毎日、休みなく練習に励んでいます。特に馬術とフェンシングは課題にしている種目で、近代五種の馬術は主催者が馬を用意し、どの馬に乗るかは大会当日のくじ引きで決まるため、どんな馬でも乗りこなせるようにしなければなりません。「自分がビビっていると馬にもそれが伝わってしまうので、ビビらないことが大切。馬術のスキルを上げるために栃木や千葉などに行って、たくさんのいろいろな馬に乗って経験を積んでいきたい」と考えています。
憧れの選手は世界の舞台で活躍するラウラ・アサダウスカイテ選手(リトアニア)。レーザーランが強く、ワールドカップでともに戦った時は「オーラが違う」と肌で感じましたが、そんなアサダウスカイテ選手に少しでも近づこうと、太田選手は走り続けています
最後のレーザーランで逆転もあり得る競技だからこそ、最後まで力を振り絞ります
近代五種の競技人口は、国内で約50人。太田選手の同世代となると数人というレベルです。だからこそ今回のプロジェクトを通じて、太田選手は「ひとりでも多くの方に近代五種という競技を知っていただき、できれば体験してほしい」と語ります。一気に五種目全てを挑戦するのは難しいかもしれませんが、馬術やフェンシングなどをそれぞれに体験できる場はあります。ひとつを体験すれば、1日で五種目を戦う近代五種の過酷さ、選手たちのすごさがより深く理解できるはずです。
支援金は、「国内外での遠征や合宿、フェンシングの剣など競技用品の購入に使わせていただきたいです」と太田選手。「自分の全部を見てほしい」と目を輝かせる14歳に注目せずにはいられません。
(取材・制作:4years.編集部)
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史上最年少での日本代表入りと全日本制覇、世界に挑む14歳「自分の全部を見てほしい」目まぐるしく順位が変動するのが醍醐味 ひとりの選手が、フェンシング、水泳、馬術、レーザーラン(射撃、ラン)という5種類の種目を1日で行なう近代五種。長い歴史があり、競技の過酷さから「キング・オブ・スポーツ」と呼ばれます。太田捺選手(なつ、根室光洋中学3年/根室スイミングクラブ)は幼稚園の頃から水泳をやっていましたが、小学4年生の時、根室スイミングクラブの菅原美香コーチから勧められ、「初めは名前も知らなかったけれど、興味を持った」という近代五種を始めました。 菅原コーチのもとで2つ上の姉・楓選手と練習に励み、めきめきと力をつけた太田選手は、2020年に史上最年少の13歳で日本代表入り。更に2021年11月の全日本選手権では、男女を通じて史上最年少となる14歳で優勝を果たしました。近代五種の魅力を「一つひとつの競技がそれぞれ違うので、種目によって順位が変動し、最後のレーザーランで勝負が決まるところが面白い」と語ります。 特に馬術とフェンシングに課題を感じていると太田選手(奥) 果敢にチャレンジする前向きなメンタリティー明治安田生命「地元アスリート応援プログラム」は、地元・根室市役所の職員から紹介されました。パンフレットを見て、太田選手は「ボクシングの入江聖奈選手やフェンシングの東莉央選手など、世界で活躍している選手を支援されていることを知り、私も世界をめざすアスリートとして、パンフレットに掲載されているトップアスリートのようになりたい」と強く思ったそうです。 菅原コーチにも相談しましたが、最終的には自分自身で「応募してみたい」と決断しました。近代五種を始めた時もそうでしたが、太田選手にはどんなことにも果敢にチャレンジしようとする前向きなメンタリティーがあります。 元々、水泳をしていたこともあり、水泳は得意種目です 太田選手は生まれも育ちも根室市。カニやサンマといった海の幸がおいしく、大好きな場所でもある納沙布岬には、冬に家族で流氷を見に行き、改めて大自然の素晴らしさを目に焼きつけました。現在も根室市は家族と毎日の生活を送る場所であり、近代五種のトレーニング拠点でもあります。全日本選手権で優勝した際は、たくさんの友人たちから「おめでとう」と声をかけられ、それが「うれしかった」と言います。「私が活躍することで地域に明るい話題を提供し、夢や希望を伝えられる存在になりたいですし、地元の方々からたくさん応援をしていただいているので、その恩返しをしたいです」 初出場のワールドカップで味わった挫折2021年3月、ハンガリー・ブダペストで行われたワールドカップで、太田選手はこれまでのキャリアで一番と言えるほどの大きな挫折を経験しました。初めて出場したワールドカップだったにもかかわらず、予選を全体トップタイの得点で通過。しかし、決勝の馬術で落馬し、わずかに残されていた4年に1度の国際大会への可能性が消滅してしまいました。当時の心境を「とても悔しかった」と振り返ります。 ただ、そうした思いをいつまでも長く引きずることなく、比較的早く気持ちを切り替えられる点は、太田選手の持ち味です。ワールドカップ後も「練習をしないと大会でいい成績を残せないですし、応援してくれる人がいるので、頑張ろうと思えます」と、すぐに練習に復帰し、秋の全日本制覇につなげました。 いろいろな人たちの応援を背に、前向きに一つひとつ、課題を乗り越えてきました めざすは2年後の国際大会で金メダル目下の目標は、2022年11月の全日本選手権での大会連覇と、2年後に迫った4年に1度の国際大会で金メダル獲得すること。それに向かって太田選手は、ほとんど毎日、休みなく練習に励んでいます。特に馬術とフェンシングは課題にしている種目で、近代五種の馬術は主催者が馬を用意し、どの馬に乗るかは大会当日のくじ引きで決まるため、どんな馬でも乗りこなせるようにしなければなりません。「自分がビビっていると馬にもそれが伝わってしまうので、ビビらないことが大切。馬術のスキルを上げるために栃木や千葉などに行って、たくさんのいろいろな馬に乗って経験を積んでいきたい」と考えています。 憧れの選手は世界の舞台で活躍するラウラ・アサダウスカイテ選手(リトアニア)。レーザーランが強く、ワールドカップでともに戦った時は「オーラが違う」と肌で感じましたが、そんなアサダウスカイテ選手に少しでも近づこうと、太田選手は走り続けています 最後のレーザーランで逆転もあり得る競技だからこそ、最後まで力を振り絞ります 近代五種の競技人口は、国内で約50人。太田選手の同世代となると数人というレベルです。だからこそ今回のプロジェクトを通じて、太田選手は「ひとりでも多くの方に近代五種という競技を知っていただき、できれば体験してほしい」と語ります。一気に五種目全てを挑戦するのは難しいかもしれませんが、馬術やフェンシングなどをそれぞれに体験できる場はあります。ひとつを体験すれば、1日で五種目を戦う近代五種の過酷さ、選手たちのすごさがより深く理解できるはずです。 支援金は、「国内外での遠征や合宿、フェンシングの剣など競技用品の購入に使わせていただきたいです」と太田選手。「自分の全部を見てほしい」と目を輝かせる14歳に注目せずにはいられません。 (取材・制作:4years.編集部)
史上最年少での日本代表入りと全日本制覇、世界に挑む14歳「自分の全部を見てほしい」
目まぐるしく順位が変動するのが醍醐味
ひとりの選手が、フェンシング、水泳、馬術、レーザーラン(射撃、ラン)という5種類の種目を1日で行なう近代五種。長い歴史があり、競技の過酷さから「キング・オブ・スポーツ」と呼ばれます。太田捺選手(なつ、根室光洋中学3年/根室スイミングクラブ)は幼稚園の頃から水泳をやっていましたが、小学4年生の時、根室スイミングクラブの菅原美香コーチから勧められ、「初めは名前も知らなかったけれど、興味を持った」という近代五種を始めました。
菅原コーチのもとで2つ上の姉・楓選手と練習に励み、めきめきと力をつけた太田選手は、2020年に史上最年少の13歳で日本代表入り。更に2021年11月の全日本選手権では、男女を通じて史上最年少となる14歳で優勝を果たしました。近代五種の魅力を「一つひとつの競技がそれぞれ違うので、種目によって順位が変動し、最後のレーザーランで勝負が決まるところが面白い」と語ります。
特に馬術とフェンシングに課題を感じていると太田選手(奥)
果敢にチャレンジする前向きなメンタリティー
明治安田生命「地元アスリート応援プログラム」は、地元・根室市役所の職員から紹介されました。パンフレットを見て、太田選手は「ボクシングの入江聖奈選手やフェンシングの東莉央選手など、世界で活躍している選手を支援されていることを知り、私も世界をめざすアスリートとして、パンフレットに掲載されているトップアスリートのようになりたい」と強く思ったそうです。
菅原コーチにも相談しましたが、最終的には自分自身で「応募してみたい」と決断しました。近代五種を始めた時もそうでしたが、太田選手にはどんなことにも果敢にチャレンジしようとする前向きなメンタリティーがあります。
元々、水泳をしていたこともあり、水泳は得意種目です
太田選手は生まれも育ちも根室市。カニやサンマといった海の幸がおいしく、大好きな場所でもある納沙布岬には、冬に家族で流氷を見に行き、改めて大自然の素晴らしさを目に焼きつけました。現在も根室市は家族と毎日の生活を送る場所であり、近代五種のトレーニング拠点でもあります。全日本選手権で優勝した際は、たくさんの友人たちから「おめでとう」と声をかけられ、それが「うれしかった」と言います。「私が活躍することで地域に明るい話題を提供し、夢や希望を伝えられる存在になりたいですし、地元の方々からたくさん応援をしていただいているので、その恩返しをしたいです」
初出場のワールドカップで味わった挫折
2021年3月、ハンガリー・ブダペストで行われたワールドカップで、太田選手はこれまでのキャリアで一番と言えるほどの大きな挫折を経験しました。初めて出場したワールドカップだったにもかかわらず、予選を全体トップタイの得点で通過。しかし、決勝の馬術で落馬し、わずかに残されていた4年に1度の国際大会への可能性が消滅してしまいました。当時の心境を「とても悔しかった」と振り返ります。
ただ、そうした思いをいつまでも長く引きずることなく、比較的早く気持ちを切り替えられる点は、太田選手の持ち味です。ワールドカップ後も「練習をしないと大会でいい成績を残せないですし、応援してくれる人がいるので、頑張ろうと思えます」と、すぐに練習に復帰し、秋の全日本制覇につなげました。
いろいろな人たちの応援を背に、前向きに一つひとつ、課題を乗り越えてきました
めざすは2年後の国際大会で金メダル
目下の目標は、2022年11月の全日本選手権での大会連覇と、2年後に迫った4年に1度の国際大会で金メダル獲得すること。それに向かって太田選手は、ほとんど毎日、休みなく練習に励んでいます。特に馬術とフェンシングは課題にしている種目で、近代五種の馬術は主催者が馬を用意し、どの馬に乗るかは大会当日のくじ引きで決まるため、どんな馬でも乗りこなせるようにしなければなりません。「自分がビビっていると馬にもそれが伝わってしまうので、ビビらないことが大切。馬術のスキルを上げるために栃木や千葉などに行って、たくさんのいろいろな馬に乗って経験を積んでいきたい」と考えています。
憧れの選手は世界の舞台で活躍するラウラ・アサダウスカイテ選手(リトアニア)。レーザーランが強く、ワールドカップでともに戦った時は「オーラが違う」と肌で感じましたが、そんなアサダウスカイテ選手に少しでも近づこうと、太田選手は走り続けています
最後のレーザーランで逆転もあり得る競技だからこそ、最後まで力を振り絞ります
近代五種の競技人口は、国内で約50人。太田選手の同世代となると数人というレベルです。だからこそ今回のプロジェクトを通じて、太田選手は「ひとりでも多くの方に近代五種という競技を知っていただき、できれば体験してほしい」と語ります。一気に五種目全てを挑戦するのは難しいかもしれませんが、馬術やフェンシングなどをそれぞれに体験できる場はあります。ひとつを体験すれば、1日で五種目を戦う近代五種の過酷さ、選手たちのすごさがより深く理解できるはずです。
支援金は、「国内外での遠征や合宿、フェンシングの剣など競技用品の購入に使わせていただきたいです」と太田選手。「自分の全部を見てほしい」と目を輝かせる14歳に注目せずにはいられません。
(取材・制作:4years.編集部)
支援期間終了
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支援者
3人
残り期間
0日
集まっている金額
45,000円
目標金額:300,000円
達成率15%
2023年02月28日23:59に終了しました。
支援期間終了
起案者
太田捺(明治安田生命・地元アスリート応援プログラム2022)
当制度を通じて、出身地や活動拠点地域など、サポートを受ける「地元」に対して貢献したいというアスリートの活動を支援します。
1,000円
お礼のメール
リターン
感謝の気持ちを込めて、お礼のメールをお送りします。
支援者の数 0人
支援期間終了
5,000円
お礼のお手紙+YELLS(支援アスリートの当該ブロック)
リターン
感謝の気持ちを込めて、お礼のお手紙、YELLS(支援アスリートの当該ブロック)をお送りします。
※「YELLS」は、地元アスリート応援プログラムに参加するアスリートに関する情報を、全国6ブロックごとにまとめた小冊子です。
支援者の数 3人
お届け予定:2023年4月
支援期間終了