大好きな地元のクライミングジムから世界の舞台へ飛び立つ
初出場した世界ユース選手権で優勝
谷井菜月選手(奈良県出身)は、2021年度スポーツクライミング国際大会派遣選手(ボルダリングとリードの2種目)に選ばれるなど、スポーツクライミング界の次世代を担う高校3年生。スポーツクライミングは、安全ロープをつけて高度を競う「リード」、登り切った回数を競う「ボルダリング」、速さを競う「スピード」の3種目からなります。競技との出会いは小学2年生のとき。遊びに行った先でクライミング体験をしたその日に、課題(設定されたコース)をクリアする達成感を味わい、すぐ夢中になりました。以来、毎週末ジムに通うようになり、めきめきと頭角を現します。中学では「練習に時間を使いたい」と部活にも入らず、クライミング一本に絞りました。
2020年の「第8回リードユース日本選手権南砺大会」のユースAカテゴリーで優勝
そして、中学2年生でユース日本代表に選出されるとオーストリアで開催された世界ユース選手権のコンバインド種目(「リード」「ボルダリング」「スピード」の3種目を複合して採点する種目)で優勝。谷井選手自身、経験がなかった優勝という偉業を海外で成し遂げたのです。
「初めての優勝はすごく嬉(うれ)しくて、すごく自信にもなりました。それまではクライミングに対してどこか〝遊び″という感覚もあったのですが、この大会をきっかけに〝競技″として向き合うようになりました」
*このページは、2021年度のプロジェクトです。
2022年度の明治安田生命地元アスリート応援プログラムは、下記バナーをクリックしてご覧ください。谷井菜月選手は、2022年度も参加しています。
クライミングがとにかく大好き!
平日は学校が終わってから約3時間、休日は5時間ほど地元のジムでみっちり練習をしています。勉強と競技の両立は大変なのではと尋ねると「はい」とはにかみつつ、「練習が終わるとやっぱりクタクタです。だから家ではできるだけ勉強しなくてすむように、授業に集中して、なるべく学校内で勉強を終わらせるようにしています。学校以外ではなるべくクライミングだけに集中したいんです」。さらにクライミングが大好きな谷井選手は、「クライミングをやめたいと思ったこともないですし、ずっと続けたいと思っています。クライミングがない生活は考えられません(笑)」と目を輝かせます。
谷井選手が得意とする種目は「リード」。制限時間の6分間で、高さ12m以上の壁に設定されたコースを登ります。「疲れていても力を振り絞り、最後の一手まであきらめない。そういう気持ちの強さは持っていると思います」。メンタルの強さに加え、壁に設置されたホールドとホールドを動いていくムーブの引き出しの豊富さも谷井選手の大きな武器。自由な発想で動く谷井選手のムーブは独特のスタイルをもっています。
日本のトップ選手が揃った2021年の「第34回リードジャパンカップ」では4位©ICHIRO Tsugane
地元の期待にこたえるために、もっと強くなりたい
生まれも育ちも奈良県橿原市(かしはらし)。海外での試合や、国内でも地元を離れての試合が多い谷井選手ですが、橿原へ帰ってくると近所の方々が「テレビで見たよ」と声を掛けてくれたり、同級生たちが欠席中のノートを貸してくれたり。地元の人たちや学校の友達の温かさを感じながらクライミングを頑張る谷井選手が、地元アスリートを支援する明治安田生命の「地元アスリート応援プログラム」に共感を寄せたのは自然なことでした。
制度を知ったきっかけは、橿原市の市長を表敬訪問したときのこと。「そのときいらっしゃった市役所の方が『地元アスリート応援プログラム』を紹介してくださったんです。お母さんと一緒に制度を詳しく調べて、『スポーツには、人を〝元気にする力″〝集める力″〝結びつける力″がある』という考え方に惹(ひ)かれて応募しました」
それは、谷井選手がクライミングという競技を通じて、まさに実感していることでした。「英語は得意ではないのですが、クライミングをやっているおかげで、海外の選手とも言葉を使わずに、結びつきを感じた経験があります。試合を見に大勢の人が集まり、難しい課題に挑む選手を一丸となって応援するのもクライミングのいいところです。ライバルであるはずの他国の選手が私を応援してくれて元気をもらえたり、逆に私が他国の選手を応援したり。見ている方たちも楽しんで喜んでくれます。私は、地元の奈良の方にワクワクしてもらえる活躍をすることで、奈良を元気にできたら嬉しいと思っています」
©ICHIRO Tsugane
自然豊かな土地で、活力が生まれる
橿原は、かつては大和朝廷時代の中心地で、藤原宮跡をはじめ歴史が息づき、美しい自然に溢(あふ)れた土地です。季節ごとに、お気に入りの花の名所がそれぞれあり、谷井選手は自然に癒やされることが気分転換になっています。
クライミングで世界を舞台に活躍する谷井選手は、国内外の大会への出場や合宿、遠征と、家を離れる機会も多く、地元に戻ってきたときに感じるのんびりした空気にほっとするそう。そして、家族の元を離れ、頑張った谷井選手を温かく迎えてくれるのが、お母さんの手料理です。
「遠征のときは、お母さんが作ってくれるご飯がすごく恋しくなります。どれもおいしくて、好きなメニューはひとつに決められませんけど、試合が終わると、『ああ、早く食べたいな』っていつも思っています(笑)」
橿原の肥沃(ひよく)な土地が育む野菜も大好物。パワーの源にもなっています。「家の横の畑で、農薬を使わない野菜を作っているんです。コロナ禍で学校が休校になったときは収穫の手伝いもしていました! 旬の採れたてを食べられるのが幸せですね。特に海外に行った後は、すごく食べたくなります」
コロナ禍で感じた、ホームジムが地元にあるありがたさ
クライミングに出会い、いまも拠点にしているジムがあることも、谷井選手が地元を愛する大きな理由です。
「特にコロナ禍によって、他の地域に遠征して練習することが難しくなり、ホームジムが地元にあるありがたさを実感しています。自宅から車で30分ほどのところにあり、送り迎えをしてくれる両親にも感謝しています。ずっと大切に育ててくれたこのジムに愛着がありますし、選手のことを第一に考えてくれるコーチの存在が本当に大きいです。高校卒業後も変わらずいまのジムをホームにしてクライミングを続けていくつもりです。支援金では、これまで育ててもらったホームジムへの恩返しにも使いたいと思っています」
10年後、奈良開催予定の国体で地元に恩返しを
中学2年生で、初優勝を飾った世界ユース選手権が開催されたのは2017年。19年には「リード」種目のワールドカップランキング3位という優秀な成績を収め、20年にも「リードユース日本選手権」優勝、「コンバインドジャパンカップ」3位など、着実に成長を続けています。そんな谷井選手の夢は、「リード」の年間ワールドカップランキングで1位をとること、「ボルダリング」でも上位に入ること。そして世界選手権のすべての種目において頂点をめざすこと。そのために日々トレーニングに励む谷井選手。ここ数年は、量よりも質を重視する練習を大切にしています。
「練習では1回1回集中して、休みも大切にしています。ただやみくもに練習するのではなく、オーバーワークにならないメニューをコーチと相談しながら考えています」
さらに週末は県外のクライミングジムへの遠征や海外への遠征も、レベルアップをめざすために必要になってきます。
「もっと強くなるための練習ができるようにしたいです。とくにここ数年考えている“質”を大切にするために、『地元アスリート応援プログラム』の制度も活用させていただき、遠征にもっと力をいれたいと思っています。史上初のワールドカップ全勝優勝をしたスロベニアのヤンヤ・ガンブレット選手に憧れているのですが、いつかはガンブレット選手を超えるくらい強くなって、世界の人たちが注目する舞台で活躍したいです。10年後には奈良で国体も開かれる予定なので、そのときには、地元の方に喜んでもらえたり、地元に貢献できたりするような活躍をしたいと思っています!」
(取材・制作:4years.編集部)
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大好きな地元のクライミングジムから世界の舞台へ飛び立つ 初出場した世界ユース選手権で優勝 谷井菜月選手(奈良県出身)は、2021年度スポーツクライミング国際大会派遣選手(ボルダリングとリードの2種目)に選ばれるなど、スポーツクライミング界の次世代を担う高校3年生。スポーツクライミングは、安全ロープをつけて高度を競う「リード」、登り切った回数を競う「ボルダリング」、速さを競う「スピード」の3種目からなります。競技との出会いは小学2年生のとき。遊びに行った先でクライミング体験をしたその日に、課題(設定されたコース)をクリアする達成感を味わい、すぐ夢中になりました。以来、毎週末ジムに通うようになり、めきめきと頭角を現します。中学では「練習に時間を使いたい」と部活にも入らず、クライミング一本に絞りました。 2020年の「第8回リードユース日本選手権南砺大会」のユースAカテゴリーで優勝そして、中学2年生でユース日本代表に選出されるとオーストリアで開催された世界ユース選手権のコンバインド種目(「リード」「ボルダリング」「スピード」の3種目を複合して採点する種目)で優勝。谷井選手自身、経験がなかった優勝という偉業を海外で成し遂げたのです。 「初めての優勝はすごく嬉(うれ)しくて、すごく自信にもなりました。それまではクライミングに対してどこか〝遊び″という感覚もあったのですが、この大会をきっかけに〝競技″として向き合うようになりました」 *このページは、2021年度のプロジェクトです。 2022年度の明治安田生命地元アスリート応援プログラムは、下記バナーをクリックしてご覧ください。谷井菜月選手は、2022年度も参加しています。 クライミングがとにかく大好き! 平日は学校が終わってから約3時間、休日は5時間ほど地元のジムでみっちり練習をしています。勉強と競技の両立は大変なのではと尋ねると「はい」とはにかみつつ、「練習が終わるとやっぱりクタクタです。だから家ではできるだけ勉強しなくてすむように、授業に集中して、なるべく学校内で勉強を終わらせるようにしています。学校以外ではなるべくクライミングだけに集中したいんです」。さらにクライミングが大好きな谷井選手は、「クライミングをやめたいと思ったこともないですし、ずっと続けたいと思っています。クライミングがない生活は考えられません(笑)」と目を輝かせます。 谷井選手が得意とする種目は「リード」。制限時間の6分間で、高さ12m以上の壁に設定されたコースを登ります。「疲れていても力を振り絞り、最後の一手まであきらめない。そういう気持ちの強さは持っていると思います」。メンタルの強さに加え、壁に設置されたホールドとホールドを動いていくムーブの引き出しの豊富さも谷井選手の大きな武器。自由な発想で動く谷井選手のムーブは独特のスタイルをもっています。 日本のトップ選手が揃った2021年の「第34回リードジャパンカップ」では4位©ICHIRO Tsugane 地元の期待にこたえるために、もっと強くなりたい 生まれも育ちも奈良県橿原市(かしはらし)。海外での試合や、国内でも地元を離れての試合が多い谷井選手ですが、橿原へ帰ってくると近所の方々が「テレビで見たよ」と声を掛けてくれたり、同級生たちが欠席中のノートを貸してくれたり。地元の人たちや学校の友達の温かさを感じながらクライミングを頑張る谷井選手が、地元アスリートを支援する明治安田生命の「地元アスリート応援プログラム」に共感を寄せたのは自然なことでした。 制度を知ったきっかけは、橿原市の市長を表敬訪問したときのこと。「そのときいらっしゃった市役所の方が『地元アスリート応援プログラム』を紹介してくださったんです。お母さんと一緒に制度を詳しく調べて、『スポーツには、人を〝元気にする力″〝集める力″〝結びつける力″がある』という考え方に惹(ひ)かれて応募しました」 それは、谷井選手がクライミングという競技を通じて、まさに実感していることでした。「英語は得意ではないのですが、クライミングをやっているおかげで、海外の選手とも言葉を使わずに、結びつきを感じた経験があります。試合を見に大勢の人が集まり、難しい課題に挑む選手を一丸となって応援するのもクライミングのいいところです。ライバルであるはずの他国の選手が私を応援してくれて元気をもらえたり、逆に私が他国の選手を応援したり。見ている方たちも楽しんで喜んでくれます。私は、地元の奈良の方にワクワクしてもらえる活躍をすることで、奈良を元気にできたら嬉しいと思っています」 ©ICHIRO Tsugane 自然豊かな土地で、活力が生まれる 橿原は、かつては大和朝廷時代の中心地で、藤原宮跡をはじめ歴史が息づき、美しい自然に溢(あふ)れた土地です。季節ごとに、お気に入りの花の名所がそれぞれあり、谷井選手は自然に癒やされることが気分転換になっています。 クライミングで世界を舞台に活躍する谷井選手は、国内外の大会への出場や合宿、遠征と、家を離れる機会も多く、地元に戻ってきたときに感じるのんびりした空気にほっとするそう。そして、家族の元を離れ、頑張った谷井選手を温かく迎えてくれるのが、お母さんの手料理です。 「遠征のときは、お母さんが作ってくれるご飯がすごく恋しくなります。どれもおいしくて、好きなメニューはひとつに決められませんけど、試合が終わると、『ああ、早く食べたいな』っていつも思っています(笑)」 橿原の肥沃(ひよく)な土地が育む野菜も大好物。パワーの源にもなっています。「家の横の畑で、農薬を使わない野菜を作っているんです。コロナ禍で学校が休校になったときは収穫の手伝いもしていました! 旬の採れたてを食べられるのが幸せですね。特に海外に行った後は、すごく食べたくなります」 コロナ禍で感じた、ホームジムが地元にあるありがたさ クライミングに出会い、いまも拠点にしているジムがあることも、谷井選手が地元を愛する大きな理由です。 「特にコロナ禍によって、他の地域に遠征して練習することが難しくなり、ホームジムが地元にあるありがたさを実感しています。自宅から車で30分ほどのところにあり、送り迎えをしてくれる両親にも感謝しています。ずっと大切に育ててくれたこのジムに愛着がありますし、選手のことを第一に考えてくれるコーチの存在が本当に大きいです。高校卒業後も変わらずいまのジムをホームにしてクライミングを続けていくつもりです。支援金では、これまで育ててもらったホームジムへの恩返しにも使いたいと思っています」 10年後、奈良開催予定の国体で地元に恩返しを 中学2年生で、初優勝を飾った世界ユース選手権が開催されたのは2017年。19年には「リード」種目のワールドカップランキング3位という優秀な成績を収め、20年にも「リードユース日本選手権」優勝、「コンバインドジャパンカップ」3位など、着実に成長を続けています。そんな谷井選手の夢は、「リード」の年間ワールドカップランキングで1位をとること、「ボルダリング」でも上位に入ること。そして世界選手権のすべての種目において頂点をめざすこと。そのために日々トレーニングに励む谷井選手。ここ数年は、量よりも質を重視する練習を大切にしています。 「練習では1回1回集中して、休みも大切にしています。ただやみくもに練習するのではなく、オーバーワークにならないメニューをコーチと相談しながら考えています」 さらに週末は県外のクライミングジムへの遠征や海外への遠征も、レベルアップをめざすために必要になってきます。 「もっと強くなるための練習ができるようにしたいです。とくにここ数年考えている“質”を大切にするために、『地元アスリート応援プログラム』の制度も活用させていただき、遠征にもっと力をいれたいと思っています。史上初のワールドカップ全勝優勝をしたスロベニアのヤンヤ・ガンブレット選手に憧れているのですが、いつかはガンブレット選手を超えるくらい強くなって、世界の人たちが注目する舞台で活躍したいです。10年後には奈良で国体も開かれる予定なので、そのときには、地元の方に喜んでもらえたり、地元に貢献できたりするような活躍をしたいと思っています!」 (取材・制作:4years.編集部)
大好きな地元のクライミングジムから世界の舞台へ飛び立つ
初出場した世界ユース選手権で優勝
谷井菜月選手(奈良県出身)は、2021年度スポーツクライミング国際大会派遣選手(ボルダリングとリードの2種目)に選ばれるなど、スポーツクライミング界の次世代を担う高校3年生。スポーツクライミングは、安全ロープをつけて高度を競う「リード」、登り切った回数を競う「ボルダリング」、速さを競う「スピード」の3種目からなります。競技との出会いは小学2年生のとき。遊びに行った先でクライミング体験をしたその日に、課題(設定されたコース)をクリアする達成感を味わい、すぐ夢中になりました。以来、毎週末ジムに通うようになり、めきめきと頭角を現します。中学では「練習に時間を使いたい」と部活にも入らず、クライミング一本に絞りました。そして、中学2年生でユース日本代表に選出されるとオーストリアで開催された世界ユース選手権のコンバインド種目(「リード」「ボルダリング」「スピード」の3種目を複合して採点する種目)で優勝。谷井選手自身、経験がなかった優勝という偉業を海外で成し遂げたのです。
「初めての優勝はすごく嬉(うれ)しくて、すごく自信にもなりました。それまではクライミングに対してどこか〝遊び″という感覚もあったのですが、この大会をきっかけに〝競技″として向き合うようになりました」
*このページは、2021年度のプロジェクトです。
2022年度の明治安田生命地元アスリート応援プログラムは、下記バナーをクリックしてご覧ください。谷井菜月選手は、2022年度も参加しています。
クライミングがとにかく大好き!
平日は学校が終わってから約3時間、休日は5時間ほど地元のジムでみっちり練習をしています。勉強と競技の両立は大変なのではと尋ねると「はい」とはにかみつつ、「練習が終わるとやっぱりクタクタです。だから家ではできるだけ勉強しなくてすむように、授業に集中して、なるべく学校内で勉強を終わらせるようにしています。学校以外ではなるべくクライミングだけに集中したいんです」。さらにクライミングが大好きな谷井選手は、「クライミングをやめたいと思ったこともないですし、ずっと続けたいと思っています。クライミングがない生活は考えられません(笑)」と目を輝かせます。
谷井選手が得意とする種目は「リード」。制限時間の6分間で、高さ12m以上の壁に設定されたコースを登ります。「疲れていても力を振り絞り、最後の一手まであきらめない。そういう気持ちの強さは持っていると思います」。メンタルの強さに加え、壁に設置されたホールドとホールドを動いていくムーブの引き出しの豊富さも谷井選手の大きな武器。自由な発想で動く谷井選手のムーブは独特のスタイルをもっています。
地元の期待にこたえるために、もっと強くなりたい
生まれも育ちも奈良県橿原市(かしはらし)。海外での試合や、国内でも地元を離れての試合が多い谷井選手ですが、橿原へ帰ってくると近所の方々が「テレビで見たよ」と声を掛けてくれたり、同級生たちが欠席中のノートを貸してくれたり。地元の人たちや学校の友達の温かさを感じながらクライミングを頑張る谷井選手が、地元アスリートを支援する明治安田生命の「地元アスリート応援プログラム」に共感を寄せたのは自然なことでした。
制度を知ったきっかけは、橿原市の市長を表敬訪問したときのこと。「そのときいらっしゃった市役所の方が『地元アスリート応援プログラム』を紹介してくださったんです。お母さんと一緒に制度を詳しく調べて、『スポーツには、人を〝元気にする力″〝集める力″〝結びつける力″がある』という考え方に惹(ひ)かれて応募しました」
それは、谷井選手がクライミングという競技を通じて、まさに実感していることでした。「英語は得意ではないのですが、クライミングをやっているおかげで、海外の選手とも言葉を使わずに、結びつきを感じた経験があります。試合を見に大勢の人が集まり、難しい課題に挑む選手を一丸となって応援するのもクライミングのいいところです。ライバルであるはずの他国の選手が私を応援してくれて元気をもらえたり、逆に私が他国の選手を応援したり。見ている方たちも楽しんで喜んでくれます。私は、地元の奈良の方にワクワクしてもらえる活躍をすることで、奈良を元気にできたら嬉しいと思っています」
自然豊かな土地で、活力が生まれる
橿原は、かつては大和朝廷時代の中心地で、藤原宮跡をはじめ歴史が息づき、美しい自然に溢(あふ)れた土地です。季節ごとに、お気に入りの花の名所がそれぞれあり、谷井選手は自然に癒やされることが気分転換になっています。
クライミングで世界を舞台に活躍する谷井選手は、国内外の大会への出場や合宿、遠征と、家を離れる機会も多く、地元に戻ってきたときに感じるのんびりした空気にほっとするそう。そして、家族の元を離れ、頑張った谷井選手を温かく迎えてくれるのが、お母さんの手料理です。
「遠征のときは、お母さんが作ってくれるご飯がすごく恋しくなります。どれもおいしくて、好きなメニューはひとつに決められませんけど、試合が終わると、『ああ、早く食べたいな』っていつも思っています(笑)」
橿原の肥沃(ひよく)な土地が育む野菜も大好物。パワーの源にもなっています。「家の横の畑で、農薬を使わない野菜を作っているんです。コロナ禍で学校が休校になったときは収穫の手伝いもしていました! 旬の採れたてを食べられるのが幸せですね。特に海外に行った後は、すごく食べたくなります」
コロナ禍で感じた、ホームジムが地元にあるありがたさ
クライミングに出会い、いまも拠点にしているジムがあることも、谷井選手が地元を愛する大きな理由です。
「特にコロナ禍によって、他の地域に遠征して練習することが難しくなり、ホームジムが地元にあるありがたさを実感しています。自宅から車で30分ほどのところにあり、送り迎えをしてくれる両親にも感謝しています。ずっと大切に育ててくれたこのジムに愛着がありますし、選手のことを第一に考えてくれるコーチの存在が本当に大きいです。高校卒業後も変わらずいまのジムをホームにしてクライミングを続けていくつもりです。支援金では、これまで育ててもらったホームジムへの恩返しにも使いたいと思っています」
10年後、奈良開催予定の国体で地元に恩返しを
中学2年生で、初優勝を飾った世界ユース選手権が開催されたのは2017年。19年には「リード」種目のワールドカップランキング3位という優秀な成績を収め、20年にも「リードユース日本選手権」優勝、「コンバインドジャパンカップ」3位など、着実に成長を続けています。そんな谷井選手の夢は、「リード」の年間ワールドカップランキングで1位をとること、「ボルダリング」でも上位に入ること。そして世界選手権のすべての種目において頂点をめざすこと。そのために日々トレーニングに励む谷井選手。ここ数年は、量よりも質を重視する練習を大切にしています。
「練習では1回1回集中して、休みも大切にしています。ただやみくもに練習するのではなく、オーバーワークにならないメニューをコーチと相談しながら考えています」
さらに週末は県外のクライミングジムへの遠征や海外への遠征も、レベルアップをめざすために必要になってきます。
「もっと強くなるための練習ができるようにしたいです。とくにここ数年考えている“質”を大切にするために、『地元アスリート応援プログラム』の制度も活用させていただき、遠征にもっと力をいれたいと思っています。史上初のワールドカップ全勝優勝をしたスロベニアのヤンヤ・ガンブレット選手に憧れているのですが、いつかはガンブレット選手を超えるくらい強くなって、世界の人たちが注目する舞台で活躍したいです。10年後には奈良で国体も開かれる予定なので、そのときには、地元の方に喜んでもらえたり、地元に貢献できたりするような活躍をしたいと思っています!」
(取材・制作:4years.編集部)
支援期間終了
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支援者
45人
残り期間
0日
集まっている金額
310,438円
目標金額:400,000円
達成率77%
2022年02月28日23:59に終了しました。
支援期間終了
起案者
谷井菜月(明治安田生命・地元アスリート応援プログラム2021)
当制度を通じて、出身地や活動拠点地域など、サポートを受ける「地元」に対して貢献したいというアスリートの活動を支援します。
1,000円
お礼のメール
リターン
感謝の気持ちを込めて、お礼のメールをお送りします。
支援者の数 21人
支援期間終了
5,000円
お礼のお手紙
リターン
感謝の気持ちを込めて、お礼のお手紙をお送りします。
支援者の数 7人
お届け予定:2022年4月
支援期間終了
10,000円
サイン色紙+お礼のお手紙
リターン
感謝の気持ちを込めて、選手直筆のサイン色紙とお礼のお手紙をお送りします。
支援者の数 14人
お届け予定:2022年4月
支援期間終了
20,000円
サイン色紙+お礼のお手紙+オリジナルステッカー
リターン
感謝の気持ちを込めて、選手直筆のサイン色紙とお礼のお手紙、プロジェクトのオリジナルステッカーをお送りします。
支援者の数 3人
お届け予定:2022年4月
支援期間終了