世界でも希少な資料!日本の天然記念物「秋田犬」の歴史を残し、全世界と共有したい!
ヤマザキ動物看護大学図書館が所蔵する、60年前からの「秋田犬(あきたいぬ)」の動画8ミリフィルムは、世界でも例のない貴重な資料です。
この資料を公開すれば秋田犬の歴史が概観でき、ひいては秋田犬と人間の未来への大きな貢献となるでしょう。
しかし、8ミリフィルムは劣化が進むため、このままでは現在の「秋田犬」に至るまでの歴史的過程の貴重な記録が見られなくなるおそれがあります。
そこで、これらフィルムのデジタルアーカイブ化を進める計画を立てました。本学図書館がめざすこの資料のデジタルアーカイブ化に、ぜひとも皆様のお力をお貸しください。
昨年、朝日新聞においてこれらの資料が紹介され、多くの関心を集めました。日本の天然記念物「秋田犬」のこれまでの歴史的変遷の経緯をご紹介します。
【朝日新聞夕刊 2018年3月14日付 「60年前 これも秋田犬」】
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こちらのプロジェクトは寄付型プロジェクトであるため、税制優遇の対象になります。
【 個人での寄付】
⇒確定申告を行うことにより、所得税および住民税(東京都のみ)の寄付金控除を受けることが可能です。
【法人での寄付】
⇒確定申告を行うことにより、寄付金額の損金算入を行うことができます。
※1年間の寄付金額が2,000円に満たない場合は、上記の限りではありません。
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■天然記念物「秋田犬」
秋田犬は、現在日本国の天然記念物に指定されており、りりしい風貌や主人への強い忠誠心から、和犬の代表格として広く愛されています。
しかし、混血によって純粋な秋田犬が消えかかった歴史があることは、残念ながらあまり知られていません。
現在私たちが知る秋田犬は、戦後約40年間に亘る関係者の苦労の末、ようやく秋田犬としての本来の姿を取り戻したものなのです。

【現代の秋田犬写真:ヤマザキ動物看護大学図書館所蔵】
■秋田犬の歴史
秋田犬の祖先「大館犬」
秋田犬の祖先は秋田マタギイヌであると考えられています。元来、熊猟を目的として飼育されていましたが、16世紀には、佐竹藩主の奨励によって、闘犬として改良された大型の「大館犬」が生まれました。これが、現代の秋田犬の祖先です。
幕末から明治へ-闘犬ブームと混血-
幕末の混乱を経て、明治時代には再び闘犬がブームになります。夢中になった人々は、より強い犬を作ろうとして、和犬をマスチフなどの強く大きな洋犬と掛け合わせたため、大館犬も変貌し、立ち耳や巻尾などの特長を失ってしまいます。
天然記念物に指定
大正から昭和初期にかけて、本来の秋田犬の姿を残そうという気運が高まり、秋田犬保存会や日本犬保存会が設立されます。天然記念物に指定されたのは1931年(昭和6年)でした。
ハチ公が生きていたのもこの頃で、ハチはその立派な風貌から、後の秋田犬保存運動の指針の一つになったと考えられています。1937年に来日したヘレン・ケラーには、神風という名の秋田犬が寄贈され、神風は、初めてアメリカに渡った秋田犬となりました。
【ハチ公剥製(国立科学博物館所蔵)】
第2次世界対戦と純血種の衰退
秋田犬の保存運動がこうして進んでいた矢先、第2次世界大戦が始まります。国民生活は困難を究め、食糧難から、大型犬の飼育は難しくなり、秋田犬の飼育頭数は減ってゆきました。
戦後は、洋犬との混血がさらに進み、純粋な秋田犬は、少なくなってしまいました。なお、現在アメリカで血統として認められているアメリカンアキタは、戦後に、秋田犬を洋犬と交配した血統で、私たちが知る秋田犬とは全く異なる風貌をしています。

【左:アメリカアキタ、右:秋田犬。いずれも山﨑薫「秋田イヌの人文および自然科学的解析」(2005)より引用。】
犬の品種を純粋に保つことがいかに難しいかを、秋田犬の戦後の歴史は如実に物語っています。
戦後の復活
秋田犬の復活に尽力したのは、日本犬保存会、秋田犬保存会、そして本学所蔵の資料を提供して下さった秋田犬協会の会員の皆様方です。消えかけていた純粋な秋田犬を探し出し、交配し、何世代もかけて、洋犬の特徴を徐々に排除してゆきました。
【2頭の秋田犬 写真:ヤマザキ動物看護大学図書館所蔵】
■貴重な映像資料
その変遷を証明するものは、従来は、犬の写真や、血統書等に記載された情報のみでした。しかし、秋田犬協会では、協会オフィシャルのカメラマンが、1950年代から80年代にかけて毎年開催された展覧会を8ミリフィルムに収めておいたのです。
この貴重なフィルムは、秋田犬協会の解散時に、血統書原本や展覧会資料等と一緒に本学図書館に寄贈されました。この438本のフィルムを見れば、30年間の秋田犬の変遷が全てわかるという貴重なものです。
【本学図書館所蔵の秋田犬 8ミリフィルムや展覧会資料ほか貴重資料の一部 写真: 個人蔵】
資料保管と公開
しかし、8ミリフィルムは永久保存が出来ません。現に、何本かのフィルムは劣化が始まっています。
幸い、現在の技術でデジタル化すれば、このフィルムを半永久的に保存できます。そうすれば、先人達の努力を振り返ることができ、天然記念物であり日本を代表する和犬である秋田犬が、純粋で誇り高い姿を今後も保持するのに役立つでしょう。
さらに、それを公開すれば、秋田犬を愛する世界中の方々に、これまでの道筋を示すことも出来るでしょう。
私たちは、このような貴重な資料を本学図書館で独占するのはもったいない!と考え、このフィルム全てをデジタル化し、さらにアーカイブとして一般に公開しようと計画いたしました。
フィルムは、おおよそ100本ずつ4期に分けて、古いものから順番にアーカイブ化する予定です。今回はそのうちの第1期および第2期の募集となります。
【秋田犬の仔犬 写真: ヤマザキ動物看護大学図書館所蔵】
■ご賛同頂いた皆様への特典
ご協力頂いた皆様には、ご寄付頂ける金額に応じて、御礼メッセージや記念品の贈呈をさせて頂きます。さらに、デジタル化の終了した昭和の秋田犬8ミリフィルム上映会(本学キャンパスにて開催予定)への無料ご招待も予定しております。
上映会では、本学に所属する、秋田犬の毛色の遺伝について研究を行う分子生物学者や、東大出版会の書籍『東大ハチ公物語』共著者である社会学者をはじめ、広く学内外の秋田犬愛好者による講演もお聞き頂く予定です。楽しい時間をご一緒できれば幸いです。
■想定されるリスク
古い8ミリフィルムなので、かなりの劣化が懸念されます。そこで、複数社に相談の結果、一流の技術を擁する富士フィルムメディアクレスト社に作業を委託予定です。
予想よりフィルムの劣化が進んでいる場合、デジタル化前に必要な「フィルム洗浄」の過程で、細心の注意と細やかな対応が必要です。
そのため、作業が予定より長期化する可能性がありますが、破損の無いよう丁寧に進めて頂きます。作業状況は定期的にご報告致します。
【本学図書館所蔵の秋田犬8ミリィルム及び子犬登録申込書など貴重資料の一部 写真: 個人蔵】
■貴重な映像を遺したい!
戦時中に徴用の難を逃れるため、他犬種と混ぜられた秋田犬は、現在の姿・形に戻るまで紆余曲折を経ています。
その経緯の分かる貴重資料が、このままでは風化して見られなくなります!
デジタル化して後世に無事引き継ぎ、今後の秋田犬保存のために広く公開できるよう、是非皆様のお力をお貸し下さい。
【現代の秋田犬と子ども 写真: ヤマザキ動物看護大学図書館所蔵】
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このプロジェクトについて
世界でも希少な資料!日本の天然記念物「秋田犬」の歴史を残し、全世界と共有したい! ヤマザキ動物看護大学図書館が所蔵する、60年前からの「秋田犬(あきたいぬ)」の動画8ミリフィルムは、世界でも例のない貴重な資料です。 この資料を公開すれば秋田犬の歴史が概観でき、ひいては秋田犬と人間の未来への大きな貢献となるでしょう。 しかし、8ミリフィルムは劣化が進むため、このままでは現在の「秋田犬」に至るまでの歴史的過程の貴重な記録が見られなくなるおそれがあります。 そこで、これらフィルムのデジタルアーカイブ化を進める計画を立てました。本学図書館がめざすこの資料のデジタルアーカイブ化に、ぜひとも皆様のお力をお貸しください。 昨年、朝日新聞においてこれらの資料が紹介され、多くの関心を集めました。日本の天然記念物「秋田犬」のこれまでの歴史的変遷の経緯をご紹介します。 【朝日新聞夕刊 2018年3月14日付 「60年前 これも秋田犬」】----------------------------------------------------------------------------------こちらのプロジェクトは寄付型プロジェクトであるため、税制優遇の対象になります。【 個人での寄付】⇒確定申告を行うことにより、所得税および住民税(東京都のみ)の寄付金控除を受けることが可能です。【法人での寄付】⇒確定申告を行うことにより、寄付金額の損金算入を行うことができます。※1年間の寄付金額が2,000円に満たない場合は、上記の限りではありません。----------------------------------------------------------------------------------■天然記念物「秋田犬」 秋田犬は、現在日本国の天然記念物に指定されており、りりしい風貌や主人への強い忠誠心から、和犬の代表格として広く愛されています。 しかし、混血によって純粋な秋田犬が消えかかった歴史があることは、残念ながらあまり知られていません。 現在私たちが知る秋田犬は、戦後約40年間に亘る関係者の苦労の末、ようやく秋田犬としての本来の姿を取り戻したものなのです。 【現代の秋田犬写真:ヤマザキ動物看護大学図書館所蔵】 ■秋田犬の歴史 秋田犬の祖先「大館犬」 秋田犬の祖先は秋田マタギイヌであると考えられています。元来、熊猟を目的として飼育されていましたが、16世紀には、佐竹藩主の奨励によって、闘犬として改良された大型の「大館犬」が生まれました。これが、現代の秋田犬の祖先です。 幕末から明治へ-闘犬ブームと混血- 幕末の混乱を経て、明治時代には再び闘犬がブームになります。夢中になった人々は、より強い犬を作ろうとして、和犬をマスチフなどの強く大きな洋犬と掛け合わせたため、大館犬も変貌し、立ち耳や巻尾などの特長を失ってしまいます。 天然記念物に指定 大正から昭和初期にかけて、本来の秋田犬の姿を残そうという気運が高まり、秋田犬保存会や日本犬保存会が設立されます。天然記念物に指定されたのは1931年(昭和6年)でした。 ハチ公が生きていたのもこの頃で、ハチはその立派な風貌から、後の秋田犬保存運動の指針の一つになったと考えられています。1937年に来日したヘレン・ケラーには、神風という名の秋田犬が寄贈され、神風は、初めてアメリカに渡った秋田犬となりました。 【ハチ公剥製(国立科学博物館所蔵)】 第2次世界対戦と純血種の衰退 秋田犬の保存運動がこうして進んでいた矢先、第2次世界大戦が始まります。国民生活は困難を究め、食糧難から、大型犬の飼育は難しくなり、秋田犬の飼育頭数は減ってゆきました。 戦後は、洋犬との混血がさらに進み、純粋な秋田犬は、少なくなってしまいました。なお、現在アメリカで血統として認められているアメリカンアキタは、戦後に、秋田犬を洋犬と交配した血統で、私たちが知る秋田犬とは全く異なる風貌をしています。 【左:アメリカアキタ、右:秋田犬。いずれも山﨑薫「秋田イヌの人文および自然科学的解析」(2005)より引用。】 犬の品種を純粋に保つことがいかに難しいかを、秋田犬の戦後の歴史は如実に物語っています。 戦後の復活 秋田犬の復活に尽力したのは、日本犬保存会、秋田犬保存会、そして本学所蔵の資料を提供して下さった秋田犬協会の会員の皆様方です。消えかけていた純粋な秋田犬を探し出し、交配し、何世代もかけて、洋犬の特徴を徐々に排除してゆきました。 【2頭の秋田犬 写真:ヤマザキ動物看護大学図書館所蔵】 ■貴重な映像資料 その変遷を証明するものは、従来は、犬の写真や、血統書等に記載された情報のみでした。しかし、秋田犬協会では、協会オフィシャルのカメラマンが、1950年代から80年代にかけて毎年開催された展覧会を8ミリフィルムに収めておいたのです。 この貴重なフィルムは、秋田犬協会の解散時に、血統書原本や展覧会資料等と一緒に本学図書館に寄贈されました。この438本のフィルムを見れば、30年間の秋田犬の変遷が全てわかるという貴重なものです。 【本学図書館所蔵の秋田犬 8ミリフィルムや展覧会資料ほか貴重資料の一部 写真: 個人蔵】 資料保管と公開 しかし、8ミリフィルムは永久保存が出来ません。現に、何本かのフィルムは劣化が始まっています。 幸い、現在の技術でデジタル化すれば、このフィルムを半永久的に保存できます。そうすれば、先人達の努力を振り返ることができ、天然記念物であり日本を代表する和犬である秋田犬が、純粋で誇り高い姿を今後も保持するのに役立つでしょう。 さらに、それを公開すれば、秋田犬を愛する世界中の方々に、これまでの道筋を示すことも出来るでしょう。 私たちは、このような貴重な資料を本学図書館で独占するのはもったいない!と考え、このフィルム全てをデジタル化し、さらにアーカイブとして一般に公開しようと計画いたしました。 フィルムは、おおよそ100本ずつ4期に分けて、古いものから順番にアーカイブ化する予定です。今回はそのうちの第1期および第2期の募集となります。 【秋田犬の仔犬 写真: ヤマザキ動物看護大学図書館所蔵】 ■ご賛同頂いた皆様への特典 ご協力頂いた皆様には、ご寄付頂ける金額に応じて、御礼メッセージや記念品の贈呈をさせて頂きます。さらに、デジタル化の終了した昭和の秋田犬8ミリフィルム上映会(本学キャンパスにて開催予定)への無料ご招待も予定しております。 上映会では、本学に所属する、秋田犬の毛色の遺伝について研究を行う分子生物学者や、東大出版会の書籍『東大ハチ公物語』共著者である社会学者をはじめ、広く学内外の秋田犬愛好者による講演もお聞き頂く予定です。楽しい時間をご一緒できれば幸いです。 ■想定されるリスク 古い8ミリフィルムなので、かなりの劣化が懸念されます。そこで、複数社に相談の結果、一流の技術を擁する富士フィルムメディアクレスト社に作業を委託予定です。 予想よりフィルムの劣化が進んでいる場合、デジタル化前に必要な「フィルム洗浄」の過程で、細心の注意と細やかな対応が必要です。 そのため、作業が予定より長期化する可能性がありますが、破損の無いよう丁寧に進めて頂きます。作業状況は定期的にご報告致します。 【本学図書館所蔵の秋田犬8ミリィルム及び子犬登録申込書など貴重資料の一部 写真: 個人蔵】 ■貴重な映像を遺したい! 戦時中に徴用の難を逃れるため、他犬種と混ぜられた秋田犬は、現在の姿・形に戻るまで紆余曲折を経ています。 その経緯の分かる貴重資料が、このままでは風化して見られなくなります! デジタル化して後世に無事引き継ぎ、今後の秋田犬保存のために広く公開できるよう、是非皆様のお力をお貸し下さい。 【現代の秋田犬と子ども 写真: ヤマザキ動物看護大学図書館所蔵】
世界でも希少な資料!日本の天然記念物「秋田犬」の歴史を残し、全世界と共有したい!
この資料を公開すれば秋田犬の歴史が概観でき、ひいては秋田犬と人間の未来への大きな貢献となるでしょう。
しかし、8ミリフィルムは劣化が進むため、このままでは現在の「秋田犬」に至るまでの歴史的過程の貴重な記録が見られなくなるおそれがあります。
そこで、これらフィルムのデジタルアーカイブ化を進める計画を立てました。本学図書館がめざすこの資料のデジタルアーカイブ化に、ぜひとも皆様のお力をお貸しください。
昨年、朝日新聞においてこれらの資料が紹介され、多くの関心を集めました。日本の天然記念物「秋田犬」のこれまでの歴史的変遷の経緯をご紹介します。
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こちらのプロジェクトは寄付型プロジェクトであるため、税制優遇の対象になります。
【 個人での寄付】
⇒確定申告を行うことにより、所得税および住民税(東京都のみ)の寄付金控除を受けることが可能です。
【法人での寄付】
⇒確定申告を行うことにより、寄付金額の損金算入を行うことができます。
※1年間の寄付金額が2,000円に満たない場合は、上記の限りではありません。
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■天然記念物「秋田犬」
秋田犬は、現在日本国の天然記念物に指定されており、りりしい風貌や主人への強い忠誠心から、和犬の代表格として広く愛されています。
しかし、混血によって純粋な秋田犬が消えかかった歴史があることは、残念ながらあまり知られていません。
現在私たちが知る秋田犬は、戦後約40年間に亘る関係者の苦労の末、ようやく秋田犬としての本来の姿を取り戻したものなのです。
【現代の秋田犬写真:ヤマザキ動物看護大学図書館所蔵】
■秋田犬の歴史
秋田犬の祖先「大館犬」
秋田犬の祖先は秋田マタギイヌであると考えられています。元来、熊猟を目的として飼育されていましたが、16世紀には、佐竹藩主の奨励によって、闘犬として改良された大型の「大館犬」が生まれました。これが、現代の秋田犬の祖先です。
幕末から明治へ-闘犬ブームと混血-
幕末の混乱を経て、明治時代には再び闘犬がブームになります。夢中になった人々は、より強い犬を作ろうとして、和犬をマスチフなどの強く大きな洋犬と掛け合わせたため、大館犬も変貌し、立ち耳や巻尾などの特長を失ってしまいます。
天然記念物に指定
大正から昭和初期にかけて、本来の秋田犬の姿を残そうという気運が高まり、秋田犬保存会や日本犬保存会が設立されます。天然記念物に指定されたのは1931年(昭和6年)でした。
ハチ公が生きていたのもこの頃で、ハチはその立派な風貌から、後の秋田犬保存運動の指針の一つになったと考えられています。1937年に来日したヘレン・ケラーには、神風という名の秋田犬が寄贈され、神風は、初めてアメリカに渡った秋田犬となりました。
【ハチ公剥製(国立科学博物館所蔵)】
第2次世界対戦と純血種の衰退
秋田犬の保存運動がこうして進んでいた矢先、第2次世界大戦が始まります。国民生活は困難を究め、食糧難から、大型犬の飼育は難しくなり、秋田犬の飼育頭数は減ってゆきました。
戦後は、洋犬との混血がさらに進み、純粋な秋田犬は、少なくなってしまいました。なお、現在アメリカで血統として認められているアメリカンアキタは、戦後に、秋田犬を洋犬と交配した血統で、私たちが知る秋田犬とは全く異なる風貌をしています。
【左:アメリカアキタ、右:秋田犬。いずれも山﨑薫「秋田イヌの人文および自然科学的解析」(2005)より引用。】
犬の品種を純粋に保つことがいかに難しいかを、秋田犬の戦後の歴史は如実に物語っています。
戦後の復活
秋田犬の復活に尽力したのは、日本犬保存会、秋田犬保存会、そして本学所蔵の資料を提供して下さった秋田犬協会の会員の皆様方です。消えかけていた純粋な秋田犬を探し出し、交配し、何世代もかけて、洋犬の特徴を徐々に排除してゆきました。
【2頭の秋田犬 写真:ヤマザキ動物看護大学図書館所蔵】
■貴重な映像資料
その変遷を証明するものは、従来は、犬の写真や、血統書等に記載された情報のみでした。しかし、秋田犬協会では、協会オフィシャルのカメラマンが、1950年代から80年代にかけて毎年開催された展覧会を8ミリフィルムに収めておいたのです。
この貴重なフィルムは、秋田犬協会の解散時に、血統書原本や展覧会資料等と一緒に本学図書館に寄贈されました。この438本のフィルムを見れば、30年間の秋田犬の変遷が全てわかるという貴重なものです。
【本学図書館所蔵の秋田犬 8ミリフィルムや展覧会資料ほか貴重資料の一部 写真: 個人蔵】
資料保管と公開
しかし、8ミリフィルムは永久保存が出来ません。現に、何本かのフィルムは劣化が始まっています。
幸い、現在の技術でデジタル化すれば、このフィルムを半永久的に保存できます。そうすれば、先人達の努力を振り返ることができ、天然記念物であり日本を代表する和犬である秋田犬が、純粋で誇り高い姿を今後も保持するのに役立つでしょう。
さらに、それを公開すれば、秋田犬を愛する世界中の方々に、これまでの道筋を示すことも出来るでしょう。
私たちは、このような貴重な資料を本学図書館で独占するのはもったいない!と考え、このフィルム全てをデジタル化し、さらにアーカイブとして一般に公開しようと計画いたしました。
フィルムは、おおよそ100本ずつ4期に分けて、古いものから順番にアーカイブ化する予定です。今回はそのうちの第1期および第2期の募集となります。
【秋田犬の仔犬 写真: ヤマザキ動物看護大学図書館所蔵】
■ご賛同頂いた皆様への特典
ご協力頂いた皆様には、ご寄付頂ける金額に応じて、御礼メッセージや記念品の贈呈をさせて頂きます。さらに、デジタル化の終了した昭和の秋田犬8ミリフィルム上映会(本学キャンパスにて開催予定)への無料ご招待も予定しております。
上映会では、本学に所属する、秋田犬の毛色の遺伝について研究を行う分子生物学者や、東大出版会の書籍『東大ハチ公物語』共著者である社会学者をはじめ、広く学内外の秋田犬愛好者による講演もお聞き頂く予定です。楽しい時間をご一緒できれば幸いです。
■想定されるリスク
古い8ミリフィルムなので、かなりの劣化が懸念されます。そこで、複数社に相談の結果、一流の技術を擁する富士フィルムメディアクレスト社に作業を委託予定です。
予想よりフィルムの劣化が進んでいる場合、デジタル化前に必要な「フィルム洗浄」の過程で、細心の注意と細やかな対応が必要です。
そのため、作業が予定より長期化する可能性がありますが、破損の無いよう丁寧に進めて頂きます。作業状況は定期的にご報告致します。
【本学図書館所蔵の秋田犬8ミリィルム及び子犬登録申込書など貴重資料の一部 写真: 個人蔵】
■貴重な映像を遺したい!
戦時中に徴用の難を逃れるため、他犬種と混ぜられた秋田犬は、現在の姿・形に戻るまで紆余曲折を経ています。
その経緯の分かる貴重資料が、このままでは風化して見られなくなります!
デジタル化して後世に無事引き継ぎ、今後の秋田犬保存のために広く公開できるよう、是非皆様のお力をお貸し下さい。
【現代の秋田犬と子ども 写真: ヤマザキ動物看護大学図書館所蔵】
支援期間終了
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支援者
131人
残り期間
0日
集まっている金額
2,629,500円
目標金額:3,500,000円
達成率75%
2019年05月10日23:59に終了しました。
支援期間終了
起案者
ヤマザキ動物看護大学図書館
日本の天然記念物「秋田犬」は、忠犬ハチ公やザギトワ選手への贈呈が話題を呼び、世界で注目を集めています。「秋田犬」が現在の姿に至るまでの変遷を確認できる貴重な史料の劣化に対応し、永久保存が可能なデジタル化を行い、貴重な動画を公開・共有し、後世に伝えたいのです。
1,000円
御礼メッセージ送付・お名前をサイトに掲載
リターン
・支援へのお礼のメッセージ
・秋田犬壁紙(ダウンロード対応)
・お名前を本学図書館サイトに掲載いたします。(A-portに登録頂いたお名前を使用いたします。ご記入いただいた表記名はログイン後、マイページのプロフィール編集より変更ができます)
※掲載を希望されない方はご連絡下さい。
・作業の経過をメールにてお知らせいたします。
・一般の方への公開に先駆けて、デジタル化資料を見ることができます。
支援者の数 28人
お届け予定:2019年6月
支援期間終了
5,000円
御礼メッセージと記念品の贈呈・お名前をサイトに掲載
リターン
・支援へのお礼のメッセージ
・秋田犬壁紙(ダウンロード対応)
・秋田犬カレンダー(ダウンロード対応)
・お名前を本学図書館サイトに掲載いたします。(A-portに登録頂いたお名前を使用いたします。ご記入いただいた表記名はログイン後、マイページのプロフィール編集より変更ができます)
※掲載を希望されない方はご連絡下さい。
・作業の経過をメールにてお知らせいたします。
・一般の方への公開に先駆けて、デジタル化資料を見ることができます。
支援者の数 27人
お届け予定:2019年6月
支援期間終了
10,000円
御礼メッセージと記念品の贈呈・上映会ご招待・お名前をサイトに掲載
リターン
・支援へのお礼のメッセージ
・秋田犬壁紙(ダウンロード対応)
・秋田犬カレンダー(ダウンロード対応)
・秋田犬クリアファイル
・秋田犬8ミリフィルム上映会ご招待
・お名前を本学図書館サイトに掲載いたします。(A-portに登録頂いたお名前を使用いたします。ご記入いただいた表記名はログイン後、マイページのプロフィール編集より変更ができます)
※掲載を希望されない方はご連絡下さい。
・作業の経過をメールにてお知らせいたします。
・一般の方への公開に先駆けて、デジタル化資料を見ることができます。
支援者の数 56人
お届け予定:2019年6月
支援期間終了
50,000円
御礼メッセージと記念品の贈呈・上映会ご招待・お名前をサイトに掲載
リターン
・支援へのお礼のメッセージ
・秋田犬壁紙(ダウンロード対応)
・秋田犬カレンダー(ダウンロード対応)
・秋田犬クリアファイル
・秋田犬8ミリフィルム上映会ご招待
・秋田犬動画の入ったUSBメモリ
・お名前を本学図書館サイトに掲載いたします。(A-portに登録頂いたお名前を使用いたします。ご記入いただいた表記名はログイン後、マイページのプロフィール編集より変更ができます)
※掲載を希望されない方はご連絡下さい。
・作業の経過をメールにてお知らせいたします。
・一般の方への公開に先駆けて、デジタル化資料を見ることができます。
支援者の数 12人
お届け予定:2019年6月
支援期間終了
100,000円
御礼メッセージと記念品の贈呈・上映会ご招待・お名前をサイトに掲載
リターン
・支援へのお礼のメッセージ
・秋田犬壁紙(ダウンロード対応)
・秋田犬カレンダー(ダウンロード対応)
・秋田犬クリアファイル
・秋田犬8ミリフィルム上映会ご招待
・秋田犬動画の入ったデジタルフォトフレーム
・お名前を本学図書館サイトに掲載いたします。(A-portに登録頂いたお名前を使用いたします。ご記入いただいた表記名はログイン後、マイページのプロフィール編集より変更ができます)
※掲載を希望されない方はご連絡下さい。
・作業の経過をメールにてお知らせいたします。
・一般の方への公開に先駆けて、デジタル化資料を見ることができます。
支援者の数 8人
お届け予定:2019年6月
支援期間終了