夏休み明けの発刊に向けて、序文を書いています。(以下、一部抜粋)
(略)本書は、佐藤陽子さんの生涯をかけた望みと喜び、悩みと楽しみ、そして苦しみと悲しみを集約したものだ。だが私は、それが彼女の心情の吐露のすべてではないと言える。本書を制作するということ自体が持つ意味を考える時、(表現は微妙だが)そこには彼女の中で「何かがひと区切りついた」と、私には信じられるのだ。
それを私は「赦しと和解」と考えている。本書を制作し、千晃さんを失った親の心を開示することで、かつて千晃さんをいじめ、あるいはそのいじめを傍観した子供たちと、さらにはノーマライゼーションに対する社会の壁と、佐藤陽子さんは心の中でどうにか真っ直ぐに向かい合えた。
そうして正面から向き合うことで、「思いやり、いたわり合う心」は生まれる。それは、今の世の中に最も必要なものと私は考えている。(略)なぜか?
「いじめはいつの時代にもあった別に大した問題じゃないし、それを原因とする子供の自殺は問題だかそう多く起こることじゃない」
そんな軽視は本質に触れていない。いじめや子供の自殺は、社会が逃げ場もないほどに行き詰りつつある兆候なのだ。70年を超して続く非戦・平和が終わりかねない動き…、国際機関などから指摘される人権状況の悪化…、次々に報じられる権力者の不正疑惑…、そして先進国最悪の7人に1人の子供の貧困にまで至る経済状況と格差の拡大…。
そうした現実の課題を必ずしも理解しているとは言えない子供たちは、だがそうした個々の課題に通底するものから発する大人たちの不安と、それにも関わらずに不安の原因解消に本気で取り組もうとしていない悲観を鋭敏に感じ取り、いじめや自殺という悲鳴を上げているのだ。
そんな状況をつくってきた私たち大人の最低限の責任は、社会が取り返しもつかぬほどに行き詰まることを何としても防ぐことだ。そのためには、社会全体に「思いやり、いたわり合う心」を充たして行き詰まりをつくる壁に橋をかけ、新しい道を見通せるようにすることだろう。
佐藤陽子さんが体験した「赦しと和解」への苦悶の道、簡単には解けぬ問題に懊悩しつつ何とか真っ直ぐに向き合う姿勢こそは、子供たちを守るだけでなく、子供たちに兆候を体現させる大人たちの不安と悲観への根源的解決にもヒントを示すのだ。(以下、略)支援者
5人
残り期間
0日
集まっている金額
22,150円
目標金額:1,500,000円
達成率1%
2017年07月14日23:59に終了しました。
支援期間終了
1,000円
支援者限定活動報告
リターン
支援者の数 1人
支援期間終了
3,000円
本書『いじめないで、自殺しないで』1冊と特製シールステッカー1枚
リターン
支援者の数 2人
支援期間終了
5,000円
本書『いじめないで、自殺しないで』2冊と特製シールステッカー2枚
リターン
支援者の数 1人
お届け予定:2017年10月
支援期間終了
10,000円
本書『いじめないで、自殺しないで』5冊と特製シールステッカー5枚
リターン
支援者の数 1人
お届け予定:2017年10月
支援期間終了
30,000円
本書『いじめないで、自殺しないで』18冊と特製シールステッカー18枚
リターン
支援者の数 0人
お届け予定:2017年10月
支援期間終了