医療法人稲生会 アロマセラピスト/社会福祉士 目黒祐美子(シロアムの友の会事務局)
“Kuja~~!”
満面の笑顔で、朝登園してくる子どもたちの名前とともに呼びかける公文先生。
Kujaはスワヒリ語で「おいで」という言葉です。
おいで、といいながらも、公文先生はあの大きな笑顔と活き活きとした足取りで自ら子どもたちを迎えにいくのですが。
でも、最後の最後は、子どもたち自らが手を伸ばしたら届く範囲で顔をのぞき込むのです。
子どもたち自身が「手」を伸ばせることを信じて尊重する絶妙の距離にも、その後、ぎゅ~~~~っと抱きしめる1mmのスキマもなさにも、あふれる同じものがシロアムの園全体を包んでいます。
シロアムの園の公文先生が、私の勤める医療法人稲生会に来て下さったのは2015年のことでした。
(土畠先生の応援メッセージ)
シロアムの園を訪れたい。
そうだ、ケニアにあるL’Arche Kenya(知的障害をもつ仲間を中心として、生活をともにするコミュニティ)にも足を伸ばそう。
そう思ったものの、アフリカへの一人旅ははじめて。
臆病な私は、人の膝の上にさらに人が乗っているようなケニアのローカルな乗り合いバスに乗りこなせるだろうか、など小さな心配ばかりしていました。ところが、その後、同じ教会に通うケニア人に話にいったときの奇跡。
「ケニアでどこに行くの?」
「ナイロビ郊外の『シロアムの園』と、もう一カ所ニャフルル(かわいい地名だと思いませんか)にあるところ。。」
「オレ、ニャフルルの出身だよ!どこにいくの?」
「え、ほんとに!? L’Archeケニアというところがあってね、そこに行きたいの。」
「え!! ・・それ、オレの父さんが働いてるところだよ!」
ときどき、世界というものは急に伸び縮みをするものです。
結果、私は無事L’Arche Kenya にもたどり着き、数日逗留することができました。
(L’ArcheKenyaのなかまのひとりMusaのエピソードはこちら→I AM MUSA脳性麻痺のため、生まれたときにゴミ箱に捨てられた経験をもっています)
土埃の舞う、路肩にロバの居る道路は景色としては郷愁を誘いますが、車椅子を押すとなると別問題。
まさに、バリアだらけ。
そんな中でも、力持ちのなかまが彼を持ち上げたり、障害を持つなかま二人が肩を組み、ボコボコの道路をお互いの身体をついたてにして歩いたりしています。
この地域では、障害や依存症や虐待などで困難を抱える家庭を訪れてなにかできないかと探す役目はボランティアが担っているそうです。
障害福祉制作がほぼほぼ皆無といっても過言ではない環境で、システムがなくても手を差し伸べあう関係性が際立っていました。
数日後、L’Archeを後にした私は、シロアムの園に移動しました。
その2カ所の団体にそれぞれのことを紹介できたことが私にとって今回一番の喜びだったかもしれません。
障害とともに生きる大人と暮すコミュニティであるL’Arche Kenyaと、子どもたちが集うシロアムの園とがこれからもお互いに希望の光となり支え合えることを願っています。
シロアムの園には、「とんでけ車椅子」の車椅子と、シロアムのお子さんやお母さん達に対するお手紙やプレゼントを持参しました。
そのお手紙を募る呼びかけには、医療法人稲生会のご利用者だけではなく、市内の特別支援学校に通う方、障害のある方の高校卒業後の学びを考える「まりな大学」のみなさん、札幌市の市民活動団体が集う「プラザ星園」の入居者などなど多彩な方が応えてくださいました。
どのお手紙や作品も心がこもっているのは拝見しただけでも分りますが、
なによりも受け取ったシロアムの園のお母さんやおばあちゃん達の心に響いたようです。しばし腰を落ち着けて目を通しています。
「この子のお母さんは、、なんて辛い状況にいるんだろう!私にも、難しいの、、、。」
その応答の声音、返信のお手紙には、同じように相手を思いやる言葉が連ねられていたり、我が子と笑う写真があったり。
できるだけそのままの空気を持って帰り報告することを心がけました。
「ケアラーのケア」を標榜して活動をしていた私に、そこに働きかけることができる存在の一つはピアであることを確信させてくれた出来事でもありました。そう、たとえ、国が異なっても。
ある女の子は素晴らしい版画作品を託してくれた際、お母さんは「二人で(お手紙を渡す)〇〇ちゃんのことを話しあいながら、娘が版画を製作しました。この時間こそが私達にとっての贈り物でした」と、添えて下さいました。
贈り物をつくる時間を贈り物として受け取る。
そんな幸せな循環を作り出せるひとたちを心から尊敬しています。
このように、距離も時間も伸び縮みをすることがあるようです。
今回、シロアムの園の新しい建物の半分を建てるためにA-portで募っている金額は1500万円。
それでも母屋の半分ですから、実に正直に申し上げると、あわよくば(?)建物全体を建てられる分をご支援いただけたらそれに超したことはないわけです。普段は最寄りのスーパーマーケットの5%offの日を狙って10円単位の金銭感覚からは、1500万円はそれこそ地球の反対側くらいの距離にあります。
けれども、こうして、以前からシロアムの園を応援して下さっている方達、そして、今回初めて知って下さった方達との奇跡のような出会いや思いが繋がり、この距離すらも伸び縮みすることを信じています。
私達シロアムの友の会事務局には、「お金も技術も持っている日本がまだ“遅れている”ケニアの障害福祉医療を支援する」という考え方はありません。むしろ、お互いが得意としていること、できることを(時に直接、時に間接的に)お互い学び会うイメージを持っています。たとえここに集う皆様が全く違う意図で、全く違う想いをもっていたとしても、それはそれでとても貴重なことだと思います。願わくば、その想いの一つ一つのエピソードを語っていただいて、それをつないで行く機会があればとも。
ケニアでも日本でも世界のどこにいても、障害を持つ子どもたちが、社会の望まれた一員として暮らしていける世の中を目指して友として繋がって下さること、お力を貸して下さることに心より感謝しつつ、引き続きのお力添えもどうぞよろしく御願い申し上げます。
支援者
774人
残り期間
0日
集まっている金額
16,216,000円
(達成) 目標金額:15,000,000円
達成率108%
2021年11月19日23:59に終了しました。
支援期間終了
3,000円
シロアムの園を応援します!
リターン
支援者の数 181人
支援期間終了
5,000円
シロアムの園を応援します!
リターン
支援者の数 150人
支援期間終了
10,000円
シロアムの園を応援します!
リターン
支援者の数 260人
支援期間終了
30,000円
シロアムの園を応援します!
リターン
支援者の数 59人
支援期間終了
50,000円
シロアムの園を応援します!
リターン
支援者の数 81人
支援期間終了
100,000円
シロアムの園を応援します!
リターン
支援者の数 43人
お届け予定:2022年7月
支援期間終了